不動産ニュース / 調査・統計データ

2018/4/13

持ち家と賃貸、住まいの幸福度ほぼ変わらず

 (株)LIFULLはこのたび、社内シンクタンク「LIFULL HOME'S総研」による研究報告書「住宅幸福論 Episode1 住まいの幸福を疑え」を発行。13日、同報告書の内容について記者説明会を行なった。

 20~69歳までの全国の男女1万8,000名を対象にインターネットを実施。価値観の多様化が徹底するポスト平成時代を展望しつつ、「幸福な住まいのあり方」をテーマに調査結果をまとめた。

 今回の調査では、基本分析に加え、交絡要因(世帯年収とそれに相関する住宅スペック)を調整した「傾向スコア分析」結果を重視している。それによると、10点満点での満足度は、持ち家(7.6)、賃貸(7.0)と依然として持ち家が優位だが、調整前(持ち家:7.2、賃貸:6.4)よりも差が小さくなり、「本当はどんな家に住もうが、幸福度は大差ない」(同研究所所長・島原万丈氏)と分析した。
 まちに対する満足度については、持ち家は周辺の生活環境に満足、賃貸は利便性に満足。賃貸マンションは立地の利便性満足度が高く、自己所有マンションは環境と利便性のどちらも満足度は高めだった。

 また、報告書には「幸福な住まいのためのヒント」も掲載。(1)住んでいるまちを好きになる、(2)家族との交流や趣味に没頭する時間的ゆとりをつくる、(3)賃貸住宅の場合は快適性の向上が大切、(4)建物の経年変化をポジティブに受け止めることを提案した。「所得、社会的地位、物的財などの『地位財』があれば一時的な満足感は得られるが、幸福は持続しない。むしろ、健康や自由、愛情、社会への帰属意識、良質な環境など、他人との比較に関係なく幸せを感じられる『非地位財』を大切にすることが、幸福な住まいのあり方ではないか」(同氏)。

 同報告書は、同研究所Webサイトから申し込みができ(無料)、PDF版のダウンロードも可能。

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