森ビル(株)は31日、「六本木ヒルズ」(東京都港区)で総合震災訓練を実施。約400人の社員が参加した。
同社は、「逃げ出す街から逃げ込める街へ」をコンセプトに、災害に強く周辺地域の防災拠点としての役割を果たすまちづくりを目指し、ハード、ソフト両面からの取り組みを進めている。その一環として、毎年9月1日の防災の日前後に防災訓練を実施。今回は、「心臓蘇生・AED」、「応急手当て」、「緊急搬送」、「消火器の運用」等に加え、「やさしい日本語」の活用訓練も行なった。
「やさしい日本語」は、「炊き出し」を「温かい食事を作って配る」と言い換えるなど、通常の日本語よりも簡単で、災害時、情報弱者となりやすい外国人やお年寄り、子供にも分かりやすくした日本語。日本で暮らす外国人居住者の国籍が多岐にわたり、英語だけでは対応が困難であることから、行政からの情報発信等でも用いられている。
訓練では指導員が、「1文を短くし、文の構造を簡単にすること」、「ライフラインは、英語では『命綱』を意味するなど、外来語はネイティブの意味とは解釈が異なる可能性があるので用いないこと」、「国によって表現が違う擬態語や擬音語は使わないこと」等、ポイントを解説した。