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三菱地所(株)は23日、大丸有エリアの災害時情報共有システムの機能を強化した「災害ダッシュボード2.0」を活用した実証実験を鉄道事業者やビル事業者等と連携して実施した。国土交通省の「高精度測位社会プロジェクト災害時俯瞰型情報共有サービス」との共同実験。
「災害ダッシュボード2.0」は、2018年3月に発表した「災害ダッシュボード」のバージョンアップ版。同省の高精度測位社会プロジェクトが公開する屋内電子地図を活用し、東京駅周辺の地下通路の状況も把握できるのが特長。東京駅・有楽町駅・聖路加メディローカス(聖路加国際病院付属クリニック、大手町)等を俯瞰する固定カメラに加え、新丸ビルの警備員、丸の内仲通りをセグウェイで巡回する警備員、丸の内シャトルバスなどの移動体からのライブ映像をウェブ上で俯瞰・共有できる。
同社は毎年、丸の内周辺から災害時医療連携協定を結んでいる聖路加メディローカスへの負傷者搬送訓練を実施しているが、訓練の中で災害時には駅周辺に負傷者が治療できないまま滞留する可能性があること、被災場所の周辺情報が把握できないこと等が課題と認識されていた。実証実験では、円滑な負傷者搬送実現を目的に、「災害ダッシュボード2.0」により負傷者の位置情報やトリアージ後の状態の情報俯瞰による効果を検証した。
専用アプリを搭載したスマートフォンを災害対策要員等に所持してもらうことで、固定カメラや巡回警備員のライブ映像による周辺情報とともに、災害ダッシュボードにより位置情報をリアルタイムで俯瞰。また、トリアージ後は重症度判定結果も電子地図上で色分けして表示(電子トリアージ)。シャトルバスでの搬送中の様子も表示する。
実験では、各線の東京駅で出た負傷者2名を、シャトルバスで聖路加メディローカスまで搬送するという設定で、災害対策要員、負傷者、医師の位置や負傷者の状態を屋内外の電子地図を組み合わせ、シームレスにリアルタイムで把握できることを検証した。
同社は、今回の実証実験結果等を反映し、災害ダッシュボードの機能強化を継続していく。
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