不動産ニュース / 開発・分譲

2019/3/11

地所レジ、シドニーで隈 研吾氏起用の複合開発

「Mastery」プロジェクトC棟完成予想図。隈研吾氏がデザイン設計を手掛ける

 三菱地所レジデンス(株)は、オーストラリアの不動産会社のCrown Group Holdings(クラウン社)と共同で開発を進める分譲マンション「Mastery(マステリー)」(総戸数374戸)の日本での販売を開始した。

 同社のオーストラリアの開発事業は4プロジェクト目。クラウン社とは同物件含め2物件で協業している。計画地はシドニーのビジネス中心部から南へ約4km、シドニー国際空港から北東約5kmに位置。地下鉄駅、バス停、商業施設、大型公園が徒歩圏に揃う、近年住宅開発が進む利便性の高いエリア。

 住宅と商業施設の複合開発で、敷地面積約1万6,000平方メートル、延床面積約3万3,000平方メートル。全5棟(A棟<5階建て、39戸>、B棟<6階建て、54戸>、C棟<20階建て、144戸>、D棟<7階建て、42戸>、E棟<8階建て、95戸>)で構成。総事業費は約3億8,500万豪ドル(地所レジの出資比率30%)。デザイン設計に、隈 研吾氏とオーストラリアで活躍する建築デザイナーの高田浩一氏を起用。隈氏は高田氏とともに最高層のC棟を担当、高田氏はC棟含め4棟のデザインを担当する。

 住戸バルコニーのプランター、グリーンテラスなど建物外周をふんだんに緑化し、シドニーの緑を垂直に導いているのが特長。また、庇を大きく採り、緑とともに日射を和らげるパッシブデザインとしている。日本庭園など日本をイメージしたデザインとしており、商業施設を日本食レストランを誘致した「日本街」とするなど、建物全体で日本をコンセプトとした。共用施設として屋上プール、ジム、コミュニティルームも設置する。着工は2019年、全棟竣工は21年の予定。

 住戸は、STUDIO~3ベッドルーム、専有面積約40~128平方メートル(ペントハウス約157~171平方メートル)。販売価格は63万~215万7,000豪ドル(ペントハウス375万~488万豪ドル)。昨年11月から現地で販売を開始しており、60戸を売り出し約6割が成約済み。日本国内では、スターツコーポレーション(株)が窓口なり、セミナー等で集客し販売していくほか、三菱地所レジデンスのアジア・オセアニアの拠点であるシンガポール、インドネシア、香港でも販売を行なっている。

 11日会見した同社ASEAN事業部部長の明嵐二朗氏は「オーストラリア・シドニーのポテンシャルの高さ、特筆すべき建物計画と立地、クラウングループのこれまでの実績から、ベストパートナーとして組ませていただいた。日本をコンセプトにしたデザイン・商品企画は、多くの国の人たちに評価されると考えている」と抱負を語った。
 クラウン社グループCEOのイワン・スニト氏は「わが社は、これまで54プロジェクト・3,000戸のマンションを開発してきた。普通では考えられないようなことを考えるのが、コンセプト。隈氏、高田氏との競演という夢が実現した」と語った。
 また、隈 研吾氏は「大地の緑がタワーにつながっていくシルエットとし、オーストラリアを感じる、自然と一体になった建築物を目指した」と語った。高田氏は「日本の建築の神様である隈さんと仕事できることは光栄。垂直の森をテーマに、シドニーの自然をそのまま建物に導くことを考えた」などと語った。

左から高田浩一氏、隈 研吾氏、三菱地所レジデンス・明嵐氏、クラウン社・スニト氏

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エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。