大和ハウス工業(株)と大和リース(株)は10日、国立大学法人熊本大学と、災害時における応急仮設住宅の早期提供を目指した共同研究契約を締結した。
各都道府県は市町村と連携して、平時から応急仮設住宅の建設候補地の選定や建設計画を整備しているが、災害の規模等によっては着工までに時間を要する場合がある。そうした状況を受け、熊本大学大学院先端科学研究部准教授の大西康伸氏は、平成28年熊本地震における応急仮設住宅団地の計画担当者にヒアリングするなどして、着工までに要する期間を分析。候補地の調査を含め、配置計画案の作成や承認に時間をとられていることが分かった。
そこで、大西氏は2017年から建物のライフサイクル全体で設計情報を活用する建物の3次元モデル技術(BIM)を活用して配置計画案を自動作成する研究をスタート。その後、大和ハウスと大和リースが研究に協力、約1時間で配置計画を作成できるようになった。
3者は今回、BIMを活用することで配置計画案だけでなく、応急仮設住宅供給に必要な全工程(計画・生産・施工等)の迅速化が図れると判断。共同研究契約を結ぶことになった。今後、(1)配置計画・設計作業の省力化による提供の早期化、(2)建物を3次元で可視化することによる完成イメージの共有、(3)メンテナンスへのBIM活用を中心に研究を進めていく。
なお、研究成果に関してはオープンにする予定。