
(一社)不動産協会は11日、パレスホテル東京(東京都千代田区)で第9回「不動産協会賞」の表彰式を開催した。
不動産業への理解やコンセンサスを得る機会として、社会的に紹介したい本を表彰しているもの。日本経済や国民生活に関する幅広いジャンルの著作から、今回は3作品を選定した。
今回の受賞作は、「熱海の奇跡 いかにして活気を取り戻したのか」(市来 広一郎著、(株)東洋経済新報社)、「マーケットでまちを変える 人が集まる公共空間のつくり方」(鈴木美央著、(株)学芸出版社)、「老いた家 衰えぬ街 住まいを終活する」(野澤千絵著、(株)講談社)。
選考委員座長の青山 佾(やすし)氏(明治大学公共政策大学院教授)は、「市来さんは熱海のまちづくり活動、鈴木さんはマーケットをご自身で手掛けられており、当事者目線での作品であったことが興味深かった。野澤さんの作品は、同じ問題を取り上げた別の作品と比較しても、データに基づいて丁寧に事例を説いている点で説得力が強く、評価した」などと選考のポイントを解説した。
同協会理事長の菰田正信氏は、「受賞作品は、地方創生、地域の活性化、空き家問題など現代の日本社会が直面する課題を取り上げており、時代の変化を反映する都市やまちづくりを推進する上で示唆に富んでいる。不動産業の役割やあり方を考える上で参考にしたい」などと話した。