不動産ニュース / その他

2019/10/18

「マンション政策小委員会」が初会合/国交省

 国土交通省は18日、「社会資本整備審議会住宅宅地分科会マンション政策小委員会」(座長:齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授)の初会合を開いた。

 高経年マンションの増加が急速に進む中、建物・設備の老朽化、管理組合の担い手不足、建て替え等の合意形成の困難さ等の課題が浮き彫りとなることから、ストック時代における新たなマンション政策のあり方を検討していく。

 事務局は、(1)地方公共団体によるマンション管理適正化への関与の強化・充実に向けた方策、(2)マンション再生の円滑化の多様なニーズに対応した事業対象の拡充に向けた方策、(3)団地型マンションの柔軟な再生を可能とする手法の充実に向けた方策、の3つを検討事項に挙げた。
 (1)では、「マンションの特殊性等を踏まえ、地方公共団体がマンションに対して管理の段階からより能動的に関与する必要はないか」「管理の適正性が市場で評価されるためにはどのような仕組みが必要か」「専門家の活用・促進や専門家の育成を図るためにどのような取り組みが必要か」等を論点として提示。(2)については、「耐震性が不足しているマンション以外の老朽化マンションも除却を促すべきマンションの対象とする必要はないか」、(3)では「団地型マンション内の一部棟を存置・改修しながら、他棟の建て替え・売却等を円滑に行なうために敷地分割を円滑化することが必要ではないか」等の論点を示した。

 また、東京都、京都市等がマンション管理適正化のための取り組みを発表。東京都は、マンションの管理不全を予防し、適正な管理を促進することを目的とした「東京都におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」について説明。都や管理組合・事業者等の責務の明確化、管理組合による管理状況の届出、管理状況に応じた助言・支援等の実施を3本柱に適正化を推進していくとした。京都市は、特に問題を抱える管理組合を対象に、外部役員として専門家を派遣する「高経年マンション専門家派遣事業」を事例に挙げ、管理組合の設立に至ったマンションが12件、大規模修繕工事の実施に至ったマンションが8件といった成果を発表した。

 今後の議論の方向性について、委員からは「今一度、管理組合や区分所有者の『適正管理義務』について中身を議論する必要があるのでは。その上での『支援』を考えていくべき」「一団地認定の解除に係る合意形成は困難な課題だが、団地型マンション再生には有効な手段。何らかの方策を見出したい」「除却を促すマンションにおいて、耐震性以外の基準を総合的評価で定め、対象マンションを増やすことが必要」などの意見が寄せられた。

 今回を含め、2020年1月までに4回の会合を開き、マンション政策のあり方についてのとりまとめを行なう。

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