不動産ニュース / 政策・制度

2019/11/6

「関係人口」拡大・深化への課題を議論

 国土交通省は5日、「ライフスタイルの多様化等に関する懇談会~地域の活動力への活かし方~」(座長:小田切 徳美氏/明治大学農学部教授)の3回目となる会合を開いた。

 会合では、関係人口の拡大と深化に向け、安価な滞在場所や移動手段確保のための「シェアリングビジネス」を取り上げ、月額4万円の定額制コリビングビジネスを展開する(株)アドレス代表取締役社長・佐別当隆志氏と(一社)シェアリングエコノミー協会事務局長(同懇談会委員)の石山アンジュ氏が発表を行なった。

 アドレスは現在、地方都市中心に24拠点を運営。会員3,300名が利用している。会員は20~40歳代が中心で、定住先を持たない“アドレスホッパー”も散見されるという。また、地域住民を管理者(家守)とすることや、施設の一部を公共施設として開放・運営するなどして、地域住民と利用者との交流を図り、関係人口を増やしていくとした。また、航空会社や鉄道会社との協働により、移動コストも含めた定額制のプラットフォームを構築。「多拠点居住により、全国で人口をシェアし、都市と地方が協力しながら全国創生を図りたい」と訴えた。

 石山氏は、シェアリングエコノミービジネスの課題として「信頼関係の構築と安全性の確保」「企業と地域をつなぐ中間支援組織の必要性」「シェアリング文化・価値観の醸成」を挙げ、「欧米はスタートアップ企業がシェアリングエコノミービジネスの中心だが、日本では普通の人が躊躇なく利用できるようにするためにはブランドや信頼が必要」とし、優良サービスの認証制度や事故発生時の保険サービスなどを提供することで「日本型のシェアリングエコノミービジネス」を目指していくという。

 また、同省からは、三大都市圏の約3万人を対象とした関係人口の実態把握調査結果(速報値)が発表された。「日常生活圏、通勤圏以外に定期的・継続的に関わりがある地域」があり訪問していると回答したのは約34%。このうち、地縁・血縁先の訪問のみを行なっている人を除外したものを真の「関係人口(訪問型)」と定義。その割合は約24%だった。

この記事の用語

シェアリングエコノミー

空き状態にあるモノや技能の個人間の貸し借りを、情報通信システムを活用して仲介するサービス。英語でSharing economy。

続きはR.E.wordsへ

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