不動産ニュース / 開発・分譲

2019/12/5

晴海の「CLTパビリオン」が完成/三菱地所

「CLT PARK HARUMI」のパビリオン棟
パビリオン棟は、CLTパネルの新しい活用法として、CLTパネルと鉄骨柱を接合し柱梁として使用。美しい木目があらわしで楽しめる

 三菱地所グループが建設を進めてきたCLT(Cross Laminated Timber、直交集成板)の魅力を伝えるプロモーション施設「CLT PARK HARUMI」(東京都中央区)が11月29日に完成。6日、報道陣に公開された。14日から一般公開される。

 同施設は、五輪選手村にも近い、同社保有の約6,500平方メートルの敷地に、地上1階建ての「パビリオン棟」、地上2階建て「屋内展示棟」、地上1階建て「展示別棟」を建設。床面積は、3棟合計で約1,500平方メートル。CLTは「パビリオン棟」と「屋内展示棟」に、岡山県真庭市産のCLTを使用。パビリオン棟はヒノキ材、屋内展示棟はスギ材によるCLTで、総使用量は680立方メートル。設計は三菱地所設計(株)、施工は三菱地所ホーム(株)、デザイン監修を隈研吾建築都市設計事務所が手掛けた。東京オリンピック・パラリンピック後の20年秋まで活用した後、部材を解体・運搬し、木材の故郷である真庭市の国立公園蒜山に移築する。

 パビリオン棟は、CLTパネルの新しい活用法として、CLTパネルと鉄骨柱を接合し柱梁として使用。CLTパネルをあみだ状につなぎ合わせ、あらわしとして木目の美しさを表現する。CLTを梁として使うのは国内初。屋内展示棟は、壁や天井にCLTを使用。CLTを製作する段階で出る端材等を木組み細工をして使っている。工期は両建物合わせ約5ヵ月。

 仮設建物として準防火仕様とすることで、CLTを防火被覆せずに、木のぬくもりを感じてもらえるようにしている。また、デジタルスキル習得をサポートする「Grow with Googleラーニングセンター」やエデュテインメント(教育+エンターテインメント)型アトラクションを活用したコミュニティスペース「PLAY FOREST Directed by PLACEHOLDER」も設け、インバウンド含めた多世代へアピールする。

 同日会見した三菱地所執行役社長の吉田淳一氏は「木材は人を包み込むぬくもりがあり、においや環境などすべてが癒しとなる。木材を活用することは林業復興・活性化につながるだけでなく、防災、環境問題の解決、地方創生にもつながる。森林大国日本の優れた木材資源を活用すべく、当グループでもできることから取り組んでいく。この施設ではCLTの魅力、国産材の魅力を発信していく。インバウンド含めたくさんの方々に来場していただきたい」などと抱負を語った。
 デザイン監修を手掛ける隈 研吾氏は「CLTは、日本の木材の新しい時代を担うもの。この施設はそれを体感できる画期的なもの。CLTの新たな活用法を見せる施設にしたかった。世界的にも注目されるはずだ」と語った。

屋内展示棟外観
屋内展示棟内部。壁と天井にCLTを使用

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CLT

木材板を積層接着した厚型のパネル。英語のCross Laminated Timberの略で、和訳は「直交集成板」である。 CLTは、板の層を繊維方向が直交するように交互に張り合わせたもので、高い寸法安定性、優れた断熱性があるほか、CLTを柱や梁とする構造は軽量で耐震強度を確保できるとされている。

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