
三菱地所(株)は22日、首都直下地震を想定し、帰宅困難者対策への情報提供を目的に、千代田区・鉄道各社・バス事業者・ビル事業者等と連携し、デジタルサイネージやWebを活用した実証実験を行なった。
同社は、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)における防災の取り組みとして、2018年3月に、事業者向け情報プラットフォーム「災害ダッシュボート」のライブカメラを使った防災訓練を実施。19年1月には、「災害ダッシュボード2.0」として災害時の状況俯瞰、負傷者搬送対応等に活用する実証実験を実施した。
今回、2.0の機能を強化した「災害ダッシュボード3.0」を活用。2.0では、千代田区や鉄道・ビル事業者など災害対策をする側が対象だったのに対し、3.0では、新たに帰宅困難者への情報提供機能を付加。大丸有エリアに約100台設置されたデジタルサイネージ「丸の内ビジョン」とインターネット上のプラットフォーム「WEB版」を活用し、TVニュースで報じられる地震・火災・津波等の“広域情報”に加え、帰宅困難者受入施設の場所や周辺エリアも含む混雑・混乱状況といった“ローカル情報”を発信できるようにした。
実験では、通常はエリア情報を発信しているすべての「丸の内ビジョン」の画面を「災害ダッシュボード3.0」デジタルサイネージ版に切り替え、千代田区災害対策本部と分室が連携し、想定タイムラインに応じて順次情報を発信した。発信する情報は、英中韓3ヵ国語に自動翻訳され、丸の内ビジョンとWeb上に反映される仕組みとした。
今回の実証を踏まえ、今後は同エリアにおける次世代防災拠点(災害対策拠点)機能の実現や、大規模災害時にICTを活用した効率的に情報連携できる仕組みづくりの構築を目指していく。