不動産ニュース / 団体・グループ

2020/7/1

20年路線価、団体トップ等がコメント

 国税庁が1日に発表した「令和2(2020)年分路線価」について、業界団体・企業のトップから、以下のようなコメントが発表された(順不同)。

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会理事長 原嶋和利氏
(一社)不動産協会理事長 菰田正信氏
三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏

◆(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 坂本 久氏

 令和2年分の路線価は、都道府県庁所在都市の最高路線価の上昇都市が38に増え上昇傾向が継続、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値も5年連続の上昇となり地価の安定的な推移を示すものと評価している。

 但し、路線価の評価は1月1日時点であり、新型コロナウィルス禍の影響が反映されていないことに留意が必要だ。直近の国土交通省の地価LOOKレポートは地価上昇の傾向が鈍化、全宅連不動産研究所の土地価格DI調査では価格下落への先行き懸念の声が多く聞かれている。インバウンド需要の大幅減のほか、コロナ後の社会状況の変化は少なからず地価へ影響を及ぼすであろう。

 5月下旬には緊急事態宣言が解除されたが、不動産市況や地価にどのような影響を及ぼすかは未知数でもあり、来たる7月1日が評価基準日となる都道府県地価調査の結果を注視したい。

 我々中小不動産業者としては、国交省から示された「不動産業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に則り、感染症の拡大防止に努めるとともに、IT時代に対応した業務も積極的に取り入れ生活必需な地域の住まいを支えていく。

 全宅連としても、引き続き傘下会員への影響を踏まえ、必要な対策を適宜要望していく。

◆(公社)全日本不動産協会理事長 原嶋和利氏

 この度発表された令和2年の路線価(同年1月1日時点)については、地価公示に続いて、コロナ禍以前の日本経済が長期にわたる回復傾向にあったことを印象づけるものである。

 具体的には、昨年に比べ、最高路線価が上昇した都道府県庁所在都市が33都市から38都市に増加する一方で、横ばいが13都市から8都市へ減少、また下落を示した都市は昨年に引続き僅か1都市に留まり、標準宅地の全国平均値でも5年連続での上昇、かつ上昇率も1.6%と昨年より大きくなっている。

 地域的には、三大都市圏のほか、地方中枢都市の伸びが高くなっており、特に東京都中央区銀座5丁目では、昭和61年以降、実に35年連続で最高額を更新している。また、札幌(中央区北5条西3丁目)、福岡(中央区天神2丁目)で上昇率10%以上、仙台(青葉区中央1丁目)、広島(中区胡町)で上昇率5%以上と、これも地価公示同様、地方四市の上昇基調が見て取れる。

 しかしながら、冒頭にも示したとおり、路線価の基準時は新型コロナウイルスが国内で蔓延する以前の1月1日であり、その後の経済情勢の急激な変化はことさら言うまでもない。この点、先月国土交通省が発表した「地価LOOKレポート」の第1四半期(1月1日~4月1日)によれば、横浜元町をはじめとして4地点で平成26年の第2四半期以来およそ6年ぶりに下落の値を示したほか、15地点で上昇傾向から横ばいに転じており、その他の地点でも上昇率の鈍化傾向が表れている。調査対象としている高度利用地区は主要都市の地価動向を先行的に示す傾向があるだけに、ホテル、店舗需要の冷え込みやインバウンド需要の途絶など商業地への影響が大いに懸念されるところである。そうした意味では、今回の路線価が示した都市圏を中心とする地価の上昇基調については、それが我が国の経済に与える影響は限定的なものに留まるかに思われる。

 地価の健全な上昇は日本経済の発展を牽引する大きな要素の一つであり、文字どおり国民の明るい暮らしを支える基盤となるのが土地である。したがって、政府にはこれまで続いた上昇基調を堅持し経済全体の浮揚を期するため、是非とも積極的な政策を打ち立てていただきたい。

 今後、8月下旬発表の「地価LOOKレポート」第2四半期(4月1日~7月1日)と9月下旬発表の「都道府県地価調査」(7月1日時点)など、コロナウイルス蔓延後、かつ緊急事態宣言解除後における市場の動向を見定めるうえで非常に重要な指標のリリースが続く。引続きこれらを注視するとともに、会員を通じて現場から届く生の声をつぶさに把握していく所存である。

◆(一社)不動産協会理事長 菰田正信氏

 今回発表された路線価では、全国平均が5年連続で上昇し、上昇率も昨年を上回った。地方では上昇率が拡大した地域も多くみられた。今回の路線価は1月1日を評価時点としており、昨年までの経済が緩やかな回復基調にある中での不動産に対する堅調な需要が反映されたものであると受け止めている。

 その一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、企業収益や業況感が悪化し、雇用・所得環境にも弱い動きがみられるなど、我が国経済は大きな打撃を受け、極めて厳しい状況にある。感染防止策を徹底しながら経済活動の段階的な引上げを確実に行い、ポストコロナも見すえた経済の力強い回復を実現していくためには、あらゆる施策を総動員して対応していくことが必要だ。

 内需の柱である住宅投資の活性化や都市・地域の活力を高めるための都市再生の強力な推進等によって、新型コロナウイルス感染症の影響により加速している社会構造やライフスタイルの変化を的確に捉え、国民の暮らしを豊かにするまちづくりや住生活の実現に向け取り組んでいくことが求められる。

 とりわけ、デフレリスクを払拭し経済の力強い回復を妨げないためにも、固定資産税評価替えが来年度に予定されている中、安定的かつ確実に固定資産税の負担軽減を図ることが不可欠だ。

◆三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏

 2020年の路線価は、全国38都市で最高路線価が上昇した。標準宅地の評価基準額の全国平均値も5年連続して上昇、上昇率が拡大している。今後は、新型コロナウイルスとの共存を踏まえ、引き続き感染防止対策を講じながら、当社グループとしてまちづくりを通じた社会貢献を継続していく。

 ビル事業においては、2020年6月に竣工した「the ARGYLE aoyama(ジ・アーガイル・アオヤマ)」、2020年7月竣工予定の「msbTamachi田町ステーションタワーN」は満室となっている。そのほか、コンパクトオフィスシリーズ「CIRCLE(サークルズ)」の展開や、「ワーケーション」・「テレキューブ」等の働き方改革関連の取り組みと併せて、今後も様々なテナントニーズを踏まえた生産性向上・付加価値創出に資するオフィス空間を提供していく。

 住宅事業においては、共働き世帯増加に伴う堅調な都心居住ニーズから、テレワーク活用に伴う郊外居住ニーズに至るまで、入居者のライフスタイルやニーズに対応した商品開発・サービスを展開。2020年3月にマンション販売の「オンライン接客」を開始し、現在は全事業エリア(首都圏・名古屋・関西・広島・九州・札幌・仙台)に拡大。首都圏においては「ザ・レジデンス四谷」「ザ・パークハウス鎌倉」等の引き合いが強い。地方圏においては「hitoto広島TheTower」等の販売が好調であり、「ザ・パークハウス鹿児島中央タワー」は2021年3月の引き渡し前に全戸完売した。

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路線価

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