不動産ニュース / 開発・分譲

2020/11/30

入居者が互いの専門分野を学び合う共同住宅/小田急他

「SHIMOKITA COLLEGE」外観
一人部屋

 小田急電鉄(株)、UDS(株)、教育事業を展開する(株)エイチラボは27日、小田急小田原線線路跡地の再開発エリア「下北線路街」内に12月1日開業する居住型教育施設「SHIMOKITA COLLEGE」(東京都世田谷区、総室数102室)を報道陣に公開した。

 同施設は、大学生を中心に、高校生、社会人が入居する居住型の教育施設。さまざまな背景を持つ居住者同士が集い、多様性を学ぶ場を目指す。事業統括・施設の所有は小田急電鉄、施設の企画・運営はUDSとエイチラボが担当する。

 小田急小田原線「下北沢」駅から徒歩3分に立地。敷地面積約1,267平方メートル。鉄筋コンクリート造地上5階建て、延床面積約2,512平方メートル。居室は、1人部屋を中心に8人部屋まで用意。全室ベッド等の家具付き(広さは約9.8~70.2平方メートル)。一部居室を除き水回りは共用。一人当たりの月額費用は一律14万5,000円を想定している。

 居住者同士の交流を促すため、専有部は最低限のスペースとし、全フロアに共用施設を設けた。1階には朝食・夕食を提供する入居者専用の食堂、2・3・5階には調理家電等を備えたコモンキッチン、4階にはシェアランドリースペースとリビングを設置。エレベーターホールや廊下の空きスペースに小さなテーブルやホワイトボードを置くなど、施設内の至る所に人溜まりを生む工夫をしている。

 大学生・社会人は2年間、高校生は3ヵ月間の入居期間を想定。さまざまな人が交わる場とするため、所属する大学や専攻が偏らないように調整する。12月1日には0期生として、同社のスタッフや、海外の大学に入学したものの新型コロナウイルス感染症の影響で国内待機となっている学生、社会人等約40人が入居する。

 入居開始後は、エイチラボのスタッフが常駐し、「HLAB カレッジ・レジデンシャル・プログラム」を提供する。入居者が協力して施設の運営や施設内のイベントの企画といった自治活動を行なう環境をアレンジするほか、互いの専門領域を学び合う機会を創出。入居者同士の交流を促進することで、多様性の理解につなげていく。

 プログラムの一環として、入居者が周辺エリアのまちづくりに参加する機会も設ける計画。現在3社が協力し地域の事業者等へのアプローチを行ないながら、課題の抽出に取り組んでいる。「まちづくりは人づくり。この施設を通じて、学生を支援し、若い世代が下北沢のまちづくりに関わる機会を提供していきたい。ゆくゆくは『下北線路街』内で先に開業した商業施設『BOUNUS TRACK」とコラボしての取り組みなども検討していきたい」(小田急電鉄生活創造事業本部開発推進部課長・橋本 崇氏)。

平日の朝・夕食を提供する食堂。イベントスペースとしても活用できるよう家具は全て可動式にした
施設内の至る所にホワイトボードを設置し、人溜まりを作る工夫をした

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