国土交通省は15日、4回目となる災害に強い首都「東京」形成に向けた連絡会議を開催。終了後、「災害に強い首都『東京』の形成ビジョン」案を赤羽一嘉国土交通大臣、および小池 百合子東京都知事へ説明を行なった。
ビジョンは、水害対策と地震対策の大きく2つで構成。水害対策では、気候変動等を踏まえて治水施設等の整備を加速化させると共に、建物上層階における避難スペースの確保、公園の高台化、高規格堤防の整備等により高台拠点を確保し、推定浸水深よりも高い位置にある道路や通路などでその高台の拠点をつなぐ「高台まちづくり」を推進する。高台まちづくりでは、浸水時には避難スペースや救出救助等の活動拠点として活用すると共に、平常時は、駅前空間や高台公園といった地域のにぎわい空間として機能を発揮する場所とすることが示された。なお、すでに江戸川区、板橋区、葛飾区などでモデル地区を設定、高台まちづくりの実践に取り組む。
地震対策では、条例による防火規制の強化、道路整備や無電柱化、危険なブロック塀等の撤去による道路機能維持の促進、現地相談ステーション設置による住まいに関する高齢者への啓発・相談などの取り組みにより、安全・安心に暮らせる市街地の形成を進めるとしている。
説明を受けた小池 百合子東京都知事は、「頻発している大規模水害や今後発生が予想される首都直下型地震などの自然災害から都民の命・財産を守るために、具体的な方策を考えていかねばならない。ビジョンにより具体の方策を示していただき、感謝する。先行して設定されたモデル地区とも連携して、具体的な検討を進め、事業を強力に推進していきたい」とコメント。
赤羽一嘉国土交通大臣は、「災害に強い首都東京づくりは大変重要。水害リスクを治水対策に加えてまちづくりの施策を組み合わせることにより、平時はにぎわいの空間、大規模浸水時には避難所とするまちづくりに、国交省をあげて取り組んでまいりたい」と語った。