不動産ニュース / 調査・統計データ

2021/1/27

テレワーク実施率の低下続く/大東建託調査

 大東建託(株)は27日、3回目となる「新型コロナウイルスによる意識変化調査」結果を発表。調査・分析を担当した同社賃貸未来研究所所長の宗 健氏がオンラインで説明した。

 同調査は、新型コロナウイルスの流行前後で、市場関係者(入居者・賃貸住宅経営者・賃貸住宅経営希望者・一般ユーザー等)の意識が大きく変容した可能性があり、そうした市場の変化を不動産事業者が把握することで、事業運営に活用することを目的に行なっている。調査期間は2020年12月11~17日、全国の20~50歳代・60歳以上の男女を対象にインターネットでアンケートを実施。回答者数は2,210名で、半数が前回調査(20年9月調査)でも回答している。

 コロナの全体的な影響に関する認識については、「コロナの収束には数年かかると思う」が87.9%(前回調査(20年9月調査)比0.3ポイント上昇/前々回調査(20年6月調査)比2.6ポイント上昇)。「家賃は下がると思う」が54.7%(同1.5ポイント下落/同0.5ポイント下落)、「不動産価格は下がると思う」が64.6%(同3.0ポイント下落/同4.9ポイント下落)となった。

 テレワークの実施状況をみると、4月以降の実施率は21.2%(同5.1ポイント下落/同5.4ポイント下落)。9月調査で新設した「4月以降にテレワークをしていたがやめた」という回答は12.3%(前回調査比2.4ポイント下落)に減少した。「これは、女性比率・中高年比率の上昇といった回答者属性の変化が影響している可能性がある」(宗氏)としている。「テレワークをやめた」で最も多かった職種は、「公務員」の64.9%(同6.5ポイント下落)。

 「コロナをきっかけにした引っ越し検討」では、「郊外へ」が9.1%(前回調査比0.2ポイント上昇/前々回調査比3.7ポイント上昇)、「都心へ」が8.5%(同1.5ポイント上昇/同3.2ポイント上昇)といずれも増加、郊外派と都心派の差が縮小した。この結果について、「通勤の不安も影響している可能性がある」(同氏)と分析している。「コロナをきっかけとした2拠点居住検討」については、8.9%(前回調査比0.5ポイント上昇)と微増した。なお、「引っ越し検討は、テレワーク実施者のほうがテレワーク非実施者よりも大幅に高いという傾向に変化はない」(同氏)。

 「コロナをきっかけに戸建てが良いと思うようになった」は46.3%(同1.2ポイント上昇)、「コロナをきっかけにもっと広い家に住みたいと思うようになった」は22.6%(同変化なし)。また、「コロナをきっかけに今住んでいるまちが良いと思うようになった」は69.5%(同1.7ポイント下落)、「コロナをきっかけに住みたいと思っていたまちが変わった」は12.9%(同0.3ポイント上昇)で、「戸建て志向、まちへの再評価傾向に大きな変化はなく、住みたいまちへの変化も小さいまま」(同氏)だった。

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テレワーク

働き方のひとつで、情報通信機器等を活用して時間や場所の制約を受けずに柔軟に働く方法をいう。事業所に出勤せずに家で作業する在宅勤務、個人が委託・請負によって作業する在宅ワークなどがあるが、情報通信技術を幅広く活用することが特徴である。 テレワークにおいては、住宅が職場ともなり得る。

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