不動産ニュース / 調査・統計データ

2021/3/25

空き家特措法、認知度は4割/ジェクトワン

 (株)ジェクトワンが運営するアキサポ空き家総研は25日、「2021年 東京都空き家所有者に対する意識調査」結果を発表した。東京23区内・外で空き家を所有しているオーナー302名を対象にインターネット調査を実施。調査期間は2月2~5日。

 施行から5年が経過した「空き家対策特別措置法」について知っているかを尋ねたところ、「法律の具体的な内容まで知っている」と回答した人は11.6%、「法律があることを知っている/名前を聞いたことがある」が28.8%と、認知度は約4割にとどまった。国の対策について、当事者である空き家所有者に十分浸透していないことが明らかとなった。
 空き家物件を所有する地域で空き家に関する条例が制定されているかを知っているかについては、「条例の具体的な内容まで知っている」が8.6%、「条例があることを知っている/名前を聞いたことがある」が16.2%。最も多い回答は「分からない」(68.5%)だった。

 同法の認知度について、空き家を放置した年数別で比較すると、最も認知度が高かったのは、空き家を所有してから「1年以上~5年未満」の58.5%。続いて「5年以上~10年未満」の51.1%となった。一方、「1年未満」(29.5%)および「10年以上」(26.5%)の所有者の認知度は低く、空き家を所有したばかりの所有者と、同法施行前から長年空き家を放置し続けている所有者の認知度は、3割に満たない結果に。
 空き家条例の認知度を、空き家を放置した年数別で比較すると、最も認知度が高かったのは、空き家を所有してから「1年以上~5年未満」の50.1%。「5年以上~10年未満」30.3%、「1年未満」24.9%となり、「10年以上」が19.8%と最も低かった。

 同法の認知度を借り手・買い手探しの検討有無で比較したところ、「検討していない」が22.2%、「検討している」が63.0%。空き家条例の認知度は、「検討していない」が17.4%、「検討している」が48.8%という結果に。空き家に関する法制度等の認識と、空き家活用への意欲は比例していることがうかがえた。

 同社は、「空き家を所有して『1年未満』の所有者の認知度が低いことは、空き家所有者となる前の段階から空き家に関する情報が届いていないことが予測され、『10年以上』空き家を放置している人は当事者意識が薄れてしまっていると考えられる。借り手・買い手探しの検討をしていない人の認知が低いことからも、空き家問題の解決に向け、行政や市区町村の法制度、対応施策の情報が当事者に届いていないことが問題点の一つといえる」としている。

記事のキーワード 一覧

動画でチラ見!

座談会「事故物件に立ち向かう」

掲載誌はこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。