不動産ニュース / イベント・セミナー

2021/5/12

不動産業界のDXをテーマにセミナー/日管協

 (公財)日本賃貸住宅管理協会・東京都支部は11日、「DXを活用し、賃貸住宅管理の未来を切り開く-不動産業界のDXについて-」をテーマに、オンラインセミナーを開催した。

 開始にあたり、同協会会長の塩見紀昭氏が挨拶。「今回のセミナーでは、賃貸管理の実務から少し離れ“DX”をテーマとした。アカデミックな観点から知識を得るための新たな取り組みだが、コロナ禍で時代が変化を遂げている中、さまざまな知見が必要となる。シリーズ化して、有益な情報を共有していきたい」などと述べた。

 麗澤大学経済学部経営学科客員教授の宗 健氏が「DXとはなにか」をテーマにプレゼンテーションを実施。「ツールを導入するだけでは新しい価値の創造(DX)に至らない」とし、「社内のデータ基盤整備、伝票入力のRPA化などではなく、募集が長期化しない上限家賃を算出するAI、電話問い合わせの成約率を数倍に挙げるシステムの構築などがDXに当たる」と持論を述べた。
 また、人材確保の重要性にも触れ、「優秀な人材をパートタイムで契約することも有効。従業員にも資格取得を推奨し、通信制大学や大学院での学びをさせるべき。学びの時間も仕事の一部と考える必要がある」と指摘。さらに、DXでは結果へのコミットを求めてはいけないとし、「減点主義、相対主義の評価制度は馴染まず、基本は加点主義であるべき。統計の専門知識を使うため、大学教授等をアドバイザーに招き助言を受けられる体制を構築することを勧める」とアドバイスした。
 ウルシステムズ(株)取締役イノベーションプランニング部長の小林 博氏は、「IT開発・DX推進をうまく進めるために必要なこと」をテーマにプレゼンテーション。「成功するプロジェクトには、ITスキルの前に“成功させるという強い意志を持った人材が必要”」と述べ、発注側のノウハウ・スキルを強化するために「コミュニティ型プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)でプロジェクト同士の協力体制を醸成することが開発力の向上につながる」とした。また、ユーザー部門とIT部門の両者がうまく連携し、DXプロジェクトの推進をサポートする組織づくりも成功の秘訣」と話した。

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

RPA

事務作業を自動的に実施する手法またはその手法を導入する取り組み。英語のRobotic Process Automation(ロボティック プロセス オートメーション)の略語。

続きはR.E.wordsへ

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。