不動産ニュース / 開発・分譲

2021/10/6

豪メルボルンで15階建て木造オフィス開発/住林等

プロジェクトの外観

 住友林業(株)は6日、NTT都市開発(株)およびHines社(米テキサス州、社長兼CEO:Jeffrey C.Hines氏)と共同で脱炭素化社会の実現に向けて、ネットゼロカーボンビルの実現を目指す取り組みを開始すると発表。その足掛かりとして、豪州・メルボルン市近郊のコリンウッドで大規模木造オフィスビルを建設する。

 ネットゼロカーボンビルとは、建物を省エネや創エネ仕様にし、再生可能エネルギー利用と炭素クレジットによるオフセットを組み合わせ、建築物の使用時に排出させるCO2(オペレーショナル・カーボン)を実質ゼロにするもの。同プロジェクトは同国の環境認証Green Starの最高位6starに加え、現地基準の「Carbon Neutral Standardfor Building」に基づくネットゼロカーボン認定の取得を目指す。

 同プロジェクトでは構造躯体で約4,000立方メートルの木材を使用し、約3,000tの炭素を固定すると試算。この固定量を含め、建物の建築時に排出されるCO2は、全構造を鉄筋コンクリート造とする場合と比較して約4割削減したことと同等の効果があるとしている。

 建設地であるコリンウッド地区はメルボルン中心部から東に2.5km、路面電車の駅やサイクルレーンも整備される等、交通利便性が高いことに加え、市民が集う大きな緑地公園に近接し、レストランやカフェバーといった商業施設が充実する職住近接となるエリア。

 開発床面積約2万8,865平方メートル。専有部面積約1万8,399平方メートル(うち、オフィスは1万7,818平方メートル)。建物は地上15階地下2階建て。1~5階が鉄筋コンクリート造、6~15階が木造となる。

 木材や植物など自然由来の素材を取り入れ、ストレス低減や生産性向上にも効果があるとされるバイオフィリックデザインを採用。梁や柱の木の現しで仕上げ、木の雰囲気やぬくもりを体感できるようにする。屋外テラス、徒歩や自転車通勤者のためのロッカールームやシャワールームといった設備も充実させ、良質な職場環境を提供する予定で、社員間の連携を強化したい新興企業や環境価値の高い物件への入居を指向する大手企業や政府機関等のニーズを想定している。

 なお、同プロジェクトは、住友林業100%子会社のSumitomo Forestry Australira Pty Ltd.とNTT都市開発100%子会社のNTT UD Australia Pty Limited、Hines社子会社のHines Australia PtyLtdを通じて実施する。

 着工は2021年12月、竣工は23年8月の予定。

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