不動産ニュース / IT・情報サービス

2022/2/16

災害情報連携基盤、実装に向け実証実験/三菱地所

サイネージ版「災害ダッシュボードBeta」の画面イメージ。ニュース速報、行政機関等の公式Twitter、帰宅困難者受入施設等の情報を集約している
災害対策機関が利用するウェブ版「災害ダッシュボードBeta」のイメージ。負傷者を搬送するシャトルバスの位置情報や乗車人数等をリアルタイムで把握できる

 三菱地所(株)は15日、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)で推進する、災害時の情報連携プラットフォーム「災害ダッシュボードBeta」の実証実験の内容を発表。同日、同プラットフォームのデモンストレーションを報道陣に公開した。

 「災害ダッシュボード」は、帰宅困難者受入施設の受入状況や、周辺の駅・道路のライブ映像等を集約し、行政・民間の各災害対策機関に提供する情報基盤。帰宅困難者の安全確保を目的に、一部情報をウェブや周辺施設内の約100台のデジタルサイネージにも表示する。「Beta」は、過去のバージョンにおける取り組みを生かし、災害時業務の一部自動化・遠隔操作、実装可能な機能を拡充した実証版となる。

 今回行なっている実証実験(2021年11月~22年2月)では、デジタルサイネージ版「災害ダッシュボードBeta」で、行政機関・インフラ企業等が発信する公式Twitter情報を自動的に取り込み、発信者別に表示する機能を追加。画面上にQRコードも表示し、避難者がそれをスマートフォンで読み込むことで、近隣の帰宅困難者受入施設の場所や満空情報、ルート等を把握できるようにしている。デモでは実際にQRコードをスマホで読み取り、マップ上に施設情報が表示される様子等を見せた。

 また同社と千代田区、日の丸自動車興業(株)、東日本旅客鉄道(株)の間で1月20日に締結した災害時緊急輸送バスに関する協定に基づき、シャトルバスを用いて負傷者を搬送する訓練も同時に実施。「丸の内二重橋ビル」にて車いすに乗った中等症相当の負傷者をバスに収容し、隣接する「三菱ビル」に移動する模様を公開した。バス内にはスマホを搭載し、車内映像や位置情報をウェブ版(災害対策機関用)ダッシュボードに表示。災害時の情報連携に係る新たな手段も披露した。

 今後は、実証実験での結果をとりまとめつつ、さらなる災害対策ニーズの把握とシステム拡充を図り、22年中の実装を目指していく。

「丸の内シャトル」を活用し、近隣の診療所へ負傷者を搬送する訓練の模様

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