不動産ニュース / 団体・グループ

2022/5/27

高度な耐火構造等を検討/木住協

 (一社)日本木造住宅産業協会は26日、定時総会を開催。2022年度事業計画等を議決・承認した。

 22年度は、支部未設置地域への支部設置を促進し、本部支部連携の強化、充実を通じ、協会活動の活性化、会員サービスの向上を目指す。地方公共団体との連携を強化し、本部支部の役割分担のもと会員活動支援のためのプラットフォームを整備すると共に、引き続き、災害協定締結の促進や木造応急仮設住宅供給体制の整備を図るなど、地域貢献を図る。循環型社会の実現に向け、環境に優しい木材利用や木造建築の推進を図るなどのSDGsへの取り組みや、「良質な住宅ストックの形成とリフォームの推進」「木造住宅・建築物の普及促進」などについて取り組むとした。

 「良質な住宅ストックの形成とリフォームの推進」では、資産価値のある高耐久住宅の研究開発を展開し、住宅の高耐久性の向上を推進。低炭素社会の実現に向け、省エネルギー性能に優れた住宅の普及に努める。「安心R住宅」制度および「既存住宅状況調査技術者」講習を活用し、既存住宅の流通促進とリフォームを推進。新築・既存住宅の性能(省エネ性、耐震性等)向上に寄与する取り組みも進めていく。

 「木造住宅・建築物の普及促進」では、木造による耐火・準耐火建築物や中大規模建築物の普及に向け、高度な準耐火構造を含めた耐火構造等や高耐力な壁の検討、並びに中大規模建築物関連設計資料集の充実等に努める。木造耐火・準耐火・省令準耐火構造、中大規模木造に係る講習の充実を実施。建築物等の木材利用促進に向け、高齢者福祉施設、医療施設、教育施設等を含む非住宅木造建築物の需要拡大に向け取り組む。

 同協会会長の市川 晃氏は「脱炭素化社会やSDGsなど世界的な潮流と、林業・木材産業を抱えるわが国の地方創生とを木材の活用を通してしっかりと結びつける重要な役割を担っている。事業活動のより一層の強化・合理化・改善・DX対応に取り組み、協会の社会的認知、また会員へのより一層のサービスの充実を目指し、さらなる事業活動のレベルアップを図っていく」と述べた。

 また、4月11日に、(一社)日本ツーバイフォー建築協会、(一社)JBN・全国工務店協会と共に、小池 百合子東京都知事に申し入れた「『東京ゼロエミ住宅』基準多段階化運用」についても触れた。

 東京ゼロエミ住宅とは、東京都が19年度にスタートした制度。「断熱性の確保」と「設備の効率化」により省エネ性能等をより一層向上させた住宅の建設を助成するもの。今年度から基準を改正、水準を多段階化すると共に、助成制度も性能に応じた設定としている。

 3団体は、同水準では、外皮平均熱貫流率(UA値)や省エネルギー基準からの削減率(再エネ除く)が示されているが、各水準の性能値において、「木造」と「木造以外の構造」が区別され、 「木造以外の構造」に比べ「木造」の住宅に求める性能値が厳しく(数値が小さく)設定されている点が問題であるとした。その関係で、同じ性能の住宅にも関らず、「木造以外の構造」の方が助成金の額が多くなっている事態が起きている。これらの内容を踏まえ、「木造」と「木造以外の構造」において早急に同じ性能値への見直し等を求めた。

 市川氏は「木造の性能が悪いから高い性能が求められているとあらぬ誤解を招いている。木材利用の促進、木造の普及は、今日極めて重要な施策とされており、木材・木造に対する正しい理解に資する支援制度とすべき」と話した。

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