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2022/6/16

ツーバイフォー工法の推進で脱炭素に貢献

「ツーバイフォー工法の推進で脱炭素に貢献する」と話す池田会長

 (一社)日本ツーバイフォー建築協会は14日、2022年度の定時社員総会を開催し、22年度事業計画などを報告した。

 22年度は、(1)技術の研究開発および普及の推進、(2)技能者の育成・確保、(3)リフォーム事業の推進等を進めていく。

 (1) においては、13日に今国会で成立した「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」に関し、対応方針を検討。枠組壁工法建築物の「設計の手引」等の改訂準備を進める。生産・施工システムの合理化および中高層・施設系の建築促進に向け、大規模建築の生産合理化について壁パネル生産を複数工場で行なうことを前提とした設計基準や対応方法等を定める。カーボンニュートラルに向け、今後進められる省エネ基準への適合義務化等に対応し、関連する技術的課題を明らかにするとともに、基本的なモデルケースを設定・検討し、マニュアル等の資料を作成する。

 (2) では、建設キャリアアップシステムおよび特定技能外国人の受入制度について、建築大工に関して会員が円滑に利活用できるよう関係団体と連携を図りつつ適正な運用等を確保。(3)は、省エネリフォームなどポイントを絞った講習等を開催する。

 同日会見した同協会会長の池田 明氏(三井ホーム(株)代表取締役社長)は、「建築物省エネ法等の施行によって、建築物の木造化が進む。われわれはツーバイフォー工法の建物の供給を進めることで、脱炭素社会の実現に貢献する」などと述べた。

 なお同日、4月11日に(一社)日本木造住宅産業協会、(一社)JBN・全国工務店協会と共に、小池 百合子東京都知事に申し入れた「『東京ゼロエミ住宅』基準多段階化運用」の結果も発表した。

 東京ゼロエミ住宅とは、「断熱性の確保」と「設備の効率化」により省エネ性能等をより一層向上させた住宅の建設を助成するもの。今年度から基準を改正、水準を多段階化すると共に、助成制度も性能に応じた設定としている。同水準では、住宅における外皮平均熱貫流率(UA値)、集合住宅の設備における省エネルギー基準からの削減率(再エネ除く)が示されているが、各水準の性能値において、「木造」と「木造以外の構造」が区別され、 「木造以外の構造」に比べ「木造」の住宅に求める性能値が厳しく(数値が小さく)設定されている点が問題であるとした。3団体は、「木造」と「木造以外の構造」において同じ性能値への見直し等を求めていた。

 その結果、都より「外皮平均熱貫流率(UA値)の違いは木造に合わせる形で制度を変更する」との回答を得たと話した。改正後の制度は10月1日から開始される予定。一方で、省エネルギー基準の削減率の違いについては、「制度スタート時(19年度)からのもので、現状のまま」という回答を得ており、引き続き制度見直しの要望をしていくという。

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2×4(ツーバイフォー)工法

北米で生まれた木造建築の工法。わが国における正式名称は「枠組壁工法」である。 断面が2インチ×4インチの木材を使用することから、このような名称が付けられた。このツーバイフォー工法の最大の特徴は、木材で組んだ「枠組」に構造用合板を打ち付けることで、構造全体の強度を得ることである。

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