三菱地所(株)は1日、96回目の「三菱地所総合防災訓練」を実施した。関東大震災をきっかけに始まった、大手町・丸の内・有楽町エリアを中心とした防災訓練で、同社グループ社員約2,000人や協力会社等が参加。千代田区医師会や東京消防庁との共同訓練などを含めた「総合」防災訓練は3年ぶりの実施となった。
在宅勤務が普及し、災害時の対応人員が約5割に減っている状況であることから、社員安否確認や非常災害体制の組成を行なったほか、全国約40件の同社保有ビルにおいて同時に帰宅困難者受け入れ・仮救護所の設営訓練を行なった。
また、21年度末から導入を進めている同エリア内のカメラ映像を一括で制御・管理できる次世代カメラシステムを活用し、災害時の広域安全管理方法を検証。カメラ設置ビルの映像を災害対策総本部に移して情報収集をシミュレーションした。このほかにも、丸の内エリアでVR防災車による災害体験や消火器訓練などを行なった。
2021年6月に竣工した「常盤橋タワー」(東京都千代田区)では、東京消防庁丸の内消防署および地元消防団、テナントの協力を得て、初めて大規模消防訓練を実施。大地震発生後に同ビル3階のカフェから出火したとの想定で、緊急連絡体制の確認や一次消火活動、利用客の避難誘導等を実施。その後、逃げ遅れた人を3階のテラスからはしご車等で救助を行なったのち、一斉放水を実施した。
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