(株)コスモスイニシアは、国や自治体が保有する公共施設をアウトドア施設に改修するアウトドアリゾート事業の第2弾「ETOWA(エトワ)KISARAZU」(千葉県木更津市)を16日に開業する。15日、関係者に公開した。
エトワは、公的不動産をアウトドア施設に改修・運営することで、観光資源としての魅力向上、関係人口の増大、施設維持管理にかかる財政負担の軽減を目的とした官民連携の新規事業。第1弾として茨城県笠間市保有のロッジをグランピング施設に改修した「エトワ笠間」を2020年7月にオープンしている。
「ETOWA KISARAZU」は、圏央道「木更津東」ICより車で5分に立地。統廃合により19年に閉校となった旧木更津市立富岡小学校の一部を、宿泊(グランピング)施設としてコンバージョンした。同校は1873年開校。地域住民にも親しまれていたことから、閉校にあたり同市が施設の有効活用提案を公募。同社の案が採用された。市から10年間土地建物を借り上げて改修、運営する。
閉校時に使われていた1982年築、3階建ての校舎の1階を、宿泊客の共用部として改修。玄関をフロント、職員室をカフェラウンジに、保健室をマーケットスペースにそれぞれ改修。シャワー室やトイレを新設した。校庭には、ログ小屋(宿泊棟)を21棟(定員2~4人)・15区画と、バーベキューエリアを設置。バーベキューエリアでは、マーケットで選んだ食材を自由に調理して夕食とすることができる。また、カフェラウンジには木更津駅前の人気コーヒーショップ「THE COFFEE」が出店。地域住民など宿泊客以外も利用が可能。宿泊料金は、1泊2食付きで1人2万円~。
15日のオープニングセレモニーで挨拶した同社代表取締役社長の高智 亮大朗氏は「第1弾となる笠間は、関係人口創出に貢献していると高い評価をいただいている。木更津は首都圏からのアクセスが良く、海や山の自然に恵まれており、ぜひ出店したいと思っていた。小学校だったころの面影は残しつつ新たな機能を持たせ、懐かしさの中に新たな発見ができる場として、卒業生だけでなくあらゆる宿泊客の記憶に残る施設となったと思う。ここを拠点に千葉各所を楽しんでもらえるよう、施設を進化させていく」などと抱負を語った。
また、来賓として挨拶した同市市長の渡辺芳邦氏は「学校施設の再利用は2件目となる。県内のグランピング施設はどこも人気。この施設は最も東京に近い立地であり、多くの人の交流が期待でき、昔のにぎわいを取り戻してほしいと思う」などと激励した。
今後は、ワーケーションニーズを取り込むべく、カフェラウンジのコワーキング利用や校舎2・3階のサテライトオフィスへの改修なども検討していく。初年度利用は500~600組を想定。今後も、東京都心から1~2時間圏内で事業機会を狙っていく。