不動産ニュース / その他

2023/2/17

ESGに関心高い企業、「ゾーン単位の空調システム」希望

 (株)ザイマックス不動産総合研究所は17日、2回目となる「ESGからみるオフィスビル設備」を発表した。

 サステナビリティへの意識の高まる中、ESGに配慮した不動産を評価する制度として環境や省エネ、ウェルネス等の認証制度があり、これらの認証を取得することがビルオーナーにとって経済的にプラスの効果があるとされている。
 一方、具体的にどのような設備や施策が利用者にとって重要で、満足度を向上させるかは分かっていない。そこで同社は、2022年にESGの観点で企業が入居するビルを選ぶ際に求める項目や設備についてアンケート調査を実施。(株)ザイマックスインフォニスタの首都圏取引先企業2万7,801社を対象に7~8月にかけてウェブ調査を実施。有効回答数は555件だった。

 同レポートでは、ESGに関心の高い企業はどのような企業で、どのようなオフィス設備を重視しているのかを解析した。まずは回答企業をESGの関心度に応じて3つのグループの分類。「関心が高い」と回答した数が0~4の企業を【関心度 低】、5~7を【関心度 中】、8~14を【関心度 高】とした。それぞれが関心のあるESG項目を集計したところ、【低】【中】【高】ともにG(企業統治)の「法令遵守」への関心が最も高かった。

 また回答した企業の属性等についても調査。企業規模(従業員数)を見ると、【低】~【高】にかけて100人以上の企業の割合が緩やかに増加し【高】グループでは、56%を占めた。 

 入居しているオフィス面積を見ると【低】~【高】と関心度が高くなるにつれて200坪以上の割合が徐々に増加。より規模の大きいビルに入居していることが分かり、企業規模が大きく、オフィス面積が広いほどESGに関する関心が高い傾向がうかがえた。

 【高】グループが重視するビルの設備や管理について、“あることが望ましい”“満足度が向上する”と回答した企業数の割合を重要とし、場所ごとに上位の項目を列挙。執務スペースにあることが望ましい空調設備は「ゾーン単位で制御できる空調システム」(84%)、「花粉や有害物質を除去することができる換気システム」(67%)、「快適な湿度を保つ加湿システム」(64%)となった。

 トイレ・給湯器では、「自動水栓」(89%)、「LED等の省エネ照明」(85%)、「人感センサー」(80%)が上位となり、省エネと健康衛生に配慮した設備を望む企業が多いことが分かった。

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