不動産ニュース / IT・情報サービス

2023/2/22

「五月雨式」のメールを整理、営業効率化

 不動産テックスタートアップの(株)Facilo(東京都港区、代表:市川 紘氏)は22日、不動産コミュニケーションクラウド「Facilo(ファシロ)」を発売した。

 同社は米国の大手不動産ポータルサイト運営会社であるMovotoの前CFOだった市川氏らが日本で立ち上げた不動産テック企業。国内不動産仲介会社向けのコミュニケーションクラウドを独自に開発した。

 今回発売した「Facilo」は、仲介会社の営業担当と物件購入の検討者がコミュニケーションを取るためのプラットフォームで、両社間でやり取りされる物件提案や内見日程の調整、書類の手配などをクラウド上に一元化して整理・可視化するもの。「創業にあたり、仲介会社の協力を得て日本の仲介会社と顧客との間でのやり取り約2万件を分析したところ、『五月雨式で申し訳ございません』というフレーズが頻出していました。つまり、大量にかつ立て続けに資料や追加情報をメールで送っているということです。毎日大量のメールが届き、未読件数が積み上がっている人が多い中で、メールで連絡を取り合うことは、重要な情報が埋もれてしまう危険をはらむ。顧客とのやり取りをすべてクラウドに集約し、その内容ごとに整理することで、円滑に不動産取引を進められるようにするツールを開発しました」(市川氏)。

 Faciloでは、顧客ごとにマイページが生成され、営業担当者が物件A、B、Cを提案すると、マイページ上にそれぞれに関するスレッドが立ち上がる。物件資料等の情報を後送する際はそのスレッドごとに振り分けることができる。営業担当者から送付する資料や情報を物件情報に紐づけることで、営業担当者にも顧客にも情報が整理して表示されるため、双方の作業が効率化できる。「送られてきた情報がどの物件のものなのか、顧客はいちいちメールをさかのぼって物件情報を探す必要もなくなります」(市川氏)。内見申し込みもクラウド上で可能なため、顧客とのやり取りがすべてクラウド上でできるようになる。

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