不動産ニュース / 仲介・管理

2023/3/2

死因贈与の仕組み活用で空き家発生抑制へ

 (株)巻組(宮城県石巻市、代表:渡邊享子氏)は、同社が展開する空き家再活用事業において、「始期付負担付死因贈与契約」等の契約手法を基にした仕組みを採用した。

 「始期付負担付死因贈与契約」とは、契約締結時に定めた「負担」の履行を条件として、所有者死亡時に贈与の効力を生ずる契約。今回提案する仕組みでは同社による「不動産の維持管理や改修」を「負担」に設定。贈与契約と賃貸借契約を同時に締結。所有者が存命中は、維持管理等を行ないながら、所有者へ賃料を支払う。所有者が死亡すると所有権が同社に移転する仕組み。

 同社が空き家をシェアハウスにする事業を進める上で、相続後に放置された空き家を多く見てきたことから、相続発生前から相続後の不動産の処分方針を明確にしておくことで、空き家を発生させない仕組みが必要だと考え、今回の仕組みの構築・採用に至った。相続発生前に所有者やその関係者に対して「死因贈与=寄付による活用」という新たな選択肢を提案する。

 また、1日より空き家情報のポータルサイトの運営も開始した。ポータルサイトは、同社ですぐに対応することが難しい物件であっても、空き家活用を考える第三者につなげることが狙い。同サイトを活用して所有者に向けた死因贈与の仕組みの周知も図っていく。

 死因贈与の活用とサイトの運営で、空き家発生の抑制につなげる。特に地方部に多い資産価値・収益性の極端に低い物件が相続後に放置されることを防ぐ。

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贈与

当事者の一方がある財産権を相手方に無償で移転する意思を表示し、相手方がそれを受諾する意思を表示し、双方の意思が合致することによって成立する契約のこと(民法第549条)。 贈与は諾成契約とされている。

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