不動産ニュース / 開発・分譲

2023/4/5

ペットボトルの一括回収効果を検証/野村不

 野村不動産ホールディングス(株)は5日、野村不動産グループが管理するオフィス・マンションを対象に、ペットボトル一元回収の実証実験と分別排出状況の検証を実施した。

 循環型経済(サーキュラーエコノミー)・CO2削減に資するための取り組み。本来マンションから廃棄されたペットボトルは行政が、オフィスビルなどの業務系施設から廃棄されたペットボトルは民間が回収している。これを一元回収することで、運搬時に発生するCO2の削減と、回収コストの合理化を高める水平リサイクルの展開可能性を検証した。

 具体的には、野村不動産グループが管理するマンション15物件、オフィス4物件から出る使用済みペットボトルを一括で提供。白井グループ(株)がAI配車システムを活用し、19物件を最短ルートで一元回収。その後(株)首都圏環境美化センターが選別・加工した上で、リサイクル会社を通してすべてを再生ペットボトルの原料としてサントリー食品インターナショナル(株)で活用する。

 実験では、ペットボトルを従来通りオフィス、マンションで別々に回収した場合と比較して、一元回収した場合は、回収に要する距離が約30%短縮されるため、回収時に車両から排出されるCO2削減に寄与した。さらに一定の時間内により多くの使用済みペットボトルを回収できること(回収効率の向上)も確認された。
 一方で、回収した使用済みペットボトルの品質確認を実施したところ、オフィスで改修したものはマンションから回収したものと比べ、異物などが混入したペットボトルが多い傾向が見られた。

 こうした結果を踏まえ、今後は対象エリアにある他社施設への協力依頼や回収ルートの再検証を検討するほか、より水平リサイクル(ペットボトルを原料として同一種類のへ製品へのつくりかえ)に適する使用済みペットボトル確保に向け、分別の啓発活動の推進を検討していく。

実験の全体スキーム図と既存リサイクルの流れの比較

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