東急不動産(株)、(株)髙島屋、(株)リエネ、デジタルグリッド(株)の4社は10日、短期契約による大規模オフサイト型コーポレートPPAの実証的な取り組みを開始すると発表した。
コーポレートPPAとは、需要家が発電事業者より直接再エネを購入するスキーム。需要家にとっては追加性のある再エネの安定的な調達が可能になり、また発電事業者にとっては資金調達がしやすくなるため、新たな発電設備への投資推進につながるといわれている。しかし、この方法は20年といった長期契約が基本であるため、エネルギーを取り巻く環境の不確実性が高まる中で、この長期契約が国内でのPPA拡大の阻害要因の一つとなっているとの指摘もある。
この課題克服に向け、東急不動産とリエネ社が提供する短期PPAサービスを活用。4社で国内初の短期契約のオフサイト型コーポレートPPAスキームに取り組む。
2023年4月から25年4月の2年間、東急不動産が保有、および今後開発する非FIT太陽光発電所で発電した約4MW(定格容量)の再エネ電力を、リエネ社を通じて、デジタルグリッド社の「デジタルグリッドプラットフォーム」を活用し、髙島屋の横浜店・高崎店に電力を供給する。
電力を利用する非FIT発電所は、リエネソーラーファーム東松山太陽光発電所と関東圏小規模太陽光発電所。供給する一部の電力は、埼玉県東松山市にあるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)型発電所で発電したものを活用する。これにより、農業事業者は農業と太陽光発電による地代の両方から収入を得ることができるため、農業経営の安定化と新たな森林伐採などを必要としない再エネ普及にもつながるという。
4社は今回の実証により、従来とは異なる調達手法を確立させ、国内の再エネ普及と脱炭素社会の実現を進める予定。