小田急不動産(株)、多摩大学は22日、小田急多摩線「栗平」駅前北口広場で、小学生向けのスクール「マチカドこども大学」の開校式を開催した。
マチカドこども大学は、2022年4月、小田急不動産、多摩大学、小田急電鉄の3者間で締結した「連携協定に関する基本協定」に基づく取り組み。小田急不動産が「栗平」駅前で運営するコミュニティ拠点「CAFÉ & SPACE L.D.K」を拠点に、同大学の教員や学生等が幅広いテーマで講義・フィールドワークを実施。地元の子供たちに学校では得られない知識を提供すると共に、多摩エリアの活性化を目指している。
22年6~10月のプレ開講期間には10講座を開催。地元の小学生を中心に延べ72人が参加し、「普段目を向けない、考えないことについて考えられて面白かった」「大学生の人がとても優しくて楽しかった」など好評の声が挙がった。保護者からも「好奇心をくすぐるような授業で、子供たちが自ら発言していて楽しそうだった」等と好意的なコメントが多かったことから、23年4月より本格的に開講することにした。
23年度は、英語・国際食文化・社会心理等の「人文科学」、鉄道・建築・水質等の「自然科学」、交通・防犯・郵便等の「社会科学」、不動産・経済・自動運転等の「複合領域」という4つの分野に分け、年間20講座を開催していく計画。大学教員、学生のほかに一般企業の社員も講師として登壇するほか、企業見学の機会も提供するなど、内容の充実化を図る。入学時に1口3, 000円の応援金を支払ってもらい、それを教材費・会場費などの運営コストの一部に充てる。
開校式では、多摩大学経営情報学部専任講師の樋笠尭士氏がマチカドこども大学の概要を説明したほか、「ルール学」をテーマとした特別講義も開催。数十組の親子連れが参加し盛況となった。参加した保護者からは「企業見学に子供をぜひ参加させたい」「1年で20科目も受けられるのは嬉しい」など好意的な声が聞かれ、入学方法についてスタッフに尋ねる光景も見られた。
式の最後で同氏は「マチカドこども大学に入学した子供たちがやがて大学生になり、今度は運営側としてこども大学に携わる。社会人になったら子供たちを企業見学に招く。そして親になった時にはその子供がこども大学に入学する。そんな“循環型教育”の仕組みをこの地域で確立したい」等と抱負を語った。
24日時点で入学登録者数は76人と好調だ。