不動産ニュース / 決算・業績・機構改革

2023/5/23

首都圏の定期借家物件、平均募集家賃が上昇傾向

 不動産情報サービスのアットホーム(株)は23日、2022年度の居住用賃貸物件における定期借家物件の募集家賃動向を公表した。同社の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された22年度(22年4月~23年3月)の定期借家物件を調査・分析した。面積帯別にシングル向き(30平方メートル以下)、カップル向き(30超~50平方メートル以下)、ファミリー向き(50超~70平方メートル以下)、大型ファミリー向き(70平方メートル超)と定義している。

 首都圏(東京23区、都下、神奈川県、埼玉県、千葉県)のマンションでは、平均募集家賃がどの面積帯でもおおむね前年を上回る結果となった。上昇率は全般的シングル向きが低く、ファミリー向きが高い。シングル向きでは、神奈川県・千葉県の2エリアで小幅ながら下落した一方、ファミリー向きは5エリアすべてで上昇。特に埼玉県(10万6,141円、同12.2%上昇)と大きく上昇しており、面積帯による違いがはっきり表れた。

 普通借家との比較についても面積帯によって違いがみられた。シングル向きでは、東京23区を除いて定期借家の家賃が普通借家を下回ったのに対して、ファミリー向き・大型ファミリー向きは全エリアにおいて定期借家の家賃が普通借家を上回った。差額(定借-普通借)に関しても大型ファミリー向きは東京23区が11万2,835円、都下3万711円、神奈川県4万5,805円、埼玉県2万6,207円、千葉県2万7,836円と大きな差となった。

 賃貸マンション全体に占める定期借家物件の割合は、東京23区5.7%(同0.2ポイント上昇)、都下3.5%(同0.1ポイント上昇)、神奈川県3.6%(同横ばい)、埼玉県3.2%(同0.2ポイント低下)、千葉県2.2%(同0.1ポイント上昇)とおおむね横ばい。面積帯別に広くなるほど割合が高くなる傾向があり、東京23区の大型ファミリー向きは27.8%と4分の1超が定期借家物件となっている。

 アパートについてはマンションと同様におおむね前年度を上回った。面積帯別では、ファミリー向きが全エリアで上昇。中でも千葉県(7万5,250円、同10.6%上昇)と2ケタ上昇を記録した。普通借家と比較すると、東京23区のファミリー向きは定期借家が1万6,669円上回ったが、埼玉県のカップル向きでは定期借家が8,361円下回るなど、地域・面積帯で傾向が分かれた。

 賃貸アパートに占める定期借家物件の割合は、東京23区5.4%(同0.1ポイント上昇)、都下2.6%(同0.3ポイント上昇)、神奈川県3.3%(同0.2%上昇)、埼玉県1.4%(同0.1ポイント上昇)、千葉県0.9%(同0.2%上昇)となった。

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定期借家契約

契約期間の満了によって賃貸借関係が確定的に終了する借家契約。借地借家法に基づく契約類型である。

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