(一社)不動産証券化協会(ARES)、(株)三井住友トラスト基礎研究所は15日、第3回「不動産私募ファンドに関する実態調査」の結果を発表。2023年7~8月(23年6月末基準)、国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社149社を対象にアンケートを送付。86社から回答を得た。
23年6月末時点の不動産私募ファンド(私募REIT・グローバルファンド含む)の市場規模を運用資産ベースで見ると、33兆4,000億円(前回調査(22年12月末)比12.4%増)と推計。運用資産規模を拡大させた運用会社数が規模を縮小した運用会社数を大きく上回り、市場規模の拡大ペースが加速した。内訳は、国内特化型が24兆5,000億円、私募REITが5兆6,000億円、グローバル型3兆4,000億円。そのうち私募REITは、運用資産額の増加率が前回の2.8%増から11.5%増へと加速しており、銘柄数・資産規模ともに順調に拡大している。
エクイティ投資家の投資意欲は、「変化はない」が78%(同11ポイント減)と過半を占め、堅調な投資意欲が改めて確認された。一方で「低くなってきている」(12%)が「高くなってきている」(9%)の回答数を上回るなど、投資意欲が減退していると考える運用会社がわずかに増加している。
プロパティタイプ別投資額については、国内・海外投資家ともに「ホテル」が「増加」「やや増加」の回答割合が最多となった。「住宅」も「増加」「やや増加」の合計回答割合が約3割を占めた一方、「物流」は前回調査比で減少。「オフィス」は「やや減少」の回答割合が前回調査比で増加し、オフィスの先行き懸念により投資額を減少させた投資家が一定数見られた。