鹿島建設(株)や大和ハウス工業(株)など9社が出資する羽田みらい開発(株)は16日、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業(第1期事業)において大田区と官民連携で開発を進めてきた大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」を、グランドオープンした。
同施設は、新たなビジネスやイノベーション創出の拠点となることを目指した、日本初のスマートエアポートシティ。「先端」と「文化」を軸としたコンセプトを基に、先端技術による実証実験の取り組みと、日本独自のカルチャー体験の機会を提供していく。
京浜急行電鉄空港線・東京モノレール「天空橋」駅直結。開発地は、敷地面積約5.9ha。地上11階地下1階建て、延床面積約13万1,000平方メートル。
地下1階~地上4階は藤田医科大学東京の「先端医療研究センター」が入居。再生医療やがんゲノム医療をはじめ、立ったまま撮影できるMRIなど、最新機器による健診などを受診できる。5~10階のラグジュアリーホテル「ホテルメトロポリタン 羽田」(客室数237室)では、飛行機を眺められる部屋など13種類を用意。宿泊費は1部屋1泊2万~10万円程度。屋上展望デッキやレストラン、ジム等も併設する。
オフィスや羽田空港の課題解決に異業種連携で取り組む研究開発拠点「terminal.0 HANEDA」では、セキュリティチェックや入国審査、荷物運搬をコンパクトで効率的に行なえるよう研究・開発を行なっていく。ロボット技術を用いた手荷物の運搬など、実証実験を実施し、将来的には海外の空港にプロダクトの展開をしていく計画。
その他、ラボ・オフィスをはじめ、ロボットが調理・配膳する飲食店、ライブホール、日本文化体験施設、屋外型広場、足湯スカイデッキ、ラウンジ・カフェなども設置。オフィスワーカー、研究者、クリエーター、国内外からの観光客や来街者など、それぞれの分野を超えた交流を誘発していく。
同日行なわれたオープンセレモニーの挨拶で羽田みらい開発代表取締役社長の山口皓章氏は、「当エリアには、先進性、独自性のある施設が今後も開業を迎える予定。多彩な施設を集積して、先端と文化をまちのコア産業にする国際産業拠点を形成している。日本初のスマートエアポートシティとして、日本の未来をつくることに、これからも挑戦していきたいと思う」などと述べた。
来賓には、国土交通大臣・斉藤鉄夫氏や東京都知事・小池 百合子氏などが参列し、ビジネスやイノベーションを数多く生み出していくことに期待を寄せた。