大和ハウス工業(株)は21日、戸建住宅事業の収益拡大に向けて、注文住宅商品のラインアップ拡充や分譲住宅の品質強化に乗り出す。
戸建住宅市場を取り巻く環境が厳しい状況の中、同社では基本精神として、顧客に「お値打ち価格で良質な住宅を提供する」ことと、「家づくりを楽しんでもらう」ことを打ち出し、低コストの注文住宅商品の販売を手掛けるほか、分譲住宅事業では注文住宅で培ったノウハウを生かし、求めやすい価格ながら品質を高めた建物を提供していく。
注文住宅では、従来の自由設計商品に加えて、セミオーダー住宅「大和ハウスのスマートデザイン」と、規格住宅「大和ハウスのスマートセレクション」を10月5日より販売。「スマートデザイン」は、効率的な家事動線や人気の水回り設備等、300以上のプランから間取りを選択した上で、好みに合わせてカスタマイズを可能にした商品。収納や窓の大きさを変更したり、プロがコーディネートした外装や内装、住宅設備(キッチン・洗面・ユニットバス・トイレ)パッケージから、自由に組み合わせて理想の空間を実現していく。「スマートセレクション」は、価格や仕様を固定した300以上の間取りの中から、好みのものをセレクトするもので、外装・内装・住宅設備はパッケージから選ぶことができる。自由設計商品と比べて、「スマートデザイン」は11~15%、「スマートセレクション」は14~18%、販売価格を抑えることができる。
分譲住宅の強化に向けては、注文住宅と変わらない品質の分譲住宅「Ready Made Housing」を全国に展開する。注文住宅事業で培ったノウハウを生かし、ZEHの標準仕様、アフターサービス・長期保証を付与など、付加価値の高い分譲住宅として提案する。メーカー品質の住宅を要望する顧客をはじめ、ビルダーを検討していた顧客にも商品を提案し、販売棟数を増やしていく計画。
説明会で同社取締役常務執行役員住宅事業本部長の永瀬俊哉氏は「住宅価格が高騰し、望むクオリティの住宅が買えない、住宅を買いたくても買えない世帯が増えていることから、リーズナブルな価格設定で提供していく。国内住宅事業としては、できるだけ手間のかからない商品・販売の仕方に変えていきたい」などと述べた。
22年度は、請負が4,191棟(収益構造比率75%)、分譲1,571棟(同25%)だが、27年度には、請負が3,000棟(同30%)、分譲が7,000棟(同70%)と、販売棟数1万棟を目指していく。