不動産ニュース / IT・情報サービス

2023/12/5

分譲マンション販売現場に「日曜定休」導入

 三井不動産レジデンシャル(株)は、分譲マンションの販売手法を大幅に見直す。販売現場のデジタル化を進め、ユーザーのモデルルーム(販売センター)への来場回数・時間を大幅に減らす。効率的に物件情報や面談を進めることで、マンション営業現場の「日曜定休」を、2024年度から物件を選定しながら導入していく。これにより、顧客と従業員の時間を創出し、CSとESを両立する。

 同社の分譲マンションの主要な購入者層が20代・30代のZ世代・ミレニアル世代が中心となり、その45%が「共働き」となる中で、時間のゆとりを求める声が高まっている。一方で、これまでのマンション販売手法は、複数の販売センターに二度三度と足を運び、1回の来場で2時間程度滞在し商談を進める必要があり、「多様性意識が高い」「タイパ志向」のZ世代・ミレニアル世代の価値観とのミスマッチが起きている。

 こうした背景を受け同社は、ウェブセミナー、オンライン個別商談・即時問い合わせサービス、商談ツールのクラウドでの共有、オンライン申込といった販売現場のデジタル化を物件ごとに順次導入することで、販売センターへの来場回数・時間の削減、顧客の時間を生み出す取り組みを展開してきた。一方、モデルルームは数少ない顧客とのリアルの接点となるため、VRモデルルームなど新たな体験価値を充実させていく。

 23年6月にはバーチャル(VRモデルルーム)とリアル(展示)とを融合した「三井の住まい池袋サロン」を開設。同年4月に開設した「営業イノベーション部」と同部内の「オンライン専門チーム」で、「サングラス型デバイス」「バーチャルコンシェルジュ」といった更なるテクノロジーの導入による、顧客の時間創出と体験価値向上と、リアルでもオンラインでも同等の接客レベルを実現するための営業研修・指導を行なっていく。物件購入までのプロセスだけでなく、契約から引き渡しまでのプロセスについても、完全ペーパーレス・オンラインで対応できるシステムも開発中だという。

 一方、同社の販売スタッフについても、今後は女性総合職比率と共働き比率が拡大することから、21年・22年と一部物件の販売センターの日曜定休のトライアルを実施。21年は第1期販売についても日曜定休としたところ顧客満足度が低下したため、22年は1期販売を除外したところ全体平均と同等の満足度が得られた。平日や土曜日にオンライン商談を多用することで、契約進捗への影響もなく、従業員からも好意的な反応が得られたため、24年から一部販売物件(1期販売を除く)について日曜定休を導入する予定。

 同日会見した同社取締役執行役員の﨑山隆央氏は「少量・多様なユーザーニーズに応える新たな選択肢を用意し、時間を生み出すことで暮らしの潤いを提供する。Z世代やミレニアム世代だけでなく、家事・子育て・介護と時間のゆとりを求めるすべての世代に応えられる取り組みだと考えている」などと抱負を語った。

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2024/5/1

「海外トピックス」を更新しました。

サントスの「動く博物館」と中心街の再活性化【ブラジル】」を更新しました。

ブラジル・サンパウロ州のサントスでは、旧市街地2.8キロをめぐる「動く博物館」が人気となっている。1971年には一度廃止された路面電車を復活して観光路面電車としたものだが、なんと日本から贈られた車両も活躍しているという。