不動産ニュース / 政策・制度

2023/12/18

家賃債務保証、居住支援においても重要に

 国土交通省は15日、5回目となる「家賃債務保証業者会議」をオンライン形式で開いた。

 会議では、冒頭、同省が2017年にスタートした「家賃債務保証業者登録制度」の現況について説明。登録事業者が23年11月末時点で97社に達したほか、同省と厚生労働省、法務省による合同会議である住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会においても、賃貸住宅大家らが安心して住宅確保要配慮者に住宅を貸し出せる環境整備には家賃債務保証を利用しやすくする仕組みが必要だと指摘されているなど、居住支援の分野においても社会的な意義が高まっているとした。

 続いて、(公財)日本賃貸住宅管理協会の家賃債務保証事業者協議会(会員90社)が、現在までの取り組みや今後の展望についてスピーチ。家賃債務保証業の適正な運営確保のための「自主ルール」の運営について説明した。「加盟時に保証委託契約書をチェックし、自主ルールに反する記載がないかをチェックしているが、加盟後に定期的に確認して適正な契約書であることを確認する」(日管協)として、4年に1度チェックを行なっていることを明らかにした。確認の結果、契約条項の修正を依頼した実例についても説明した。

 さらに、家賃債務保証業者登録制度の登録事業者によるパネルディスカッションも実施。エルズサポート(株)代表取締役の藤田 潔氏、K-net(株)代表取締役の平野 高太郎氏、ナップ賃貸保証(株)常務取締役の田邊裕典氏をパネリストに、同省住宅局安心居住推進課課長の津曲共和氏をコーディネーターとして意見交換が行なわれた。3社が、自治体や居住支援法人との連携、要件緩和プランの提供等、住宅確保要配慮者の入居を支援するサービス提供について説明。その上で現在の課題について「入居までを支援するのではなく、死去後の残置物処理やトラブルなど『入居後』の課題に対応することが求められている」「高齢の入居者の場合は要介護になった際の支援の仕組みが必要ではないだろうか」などといった意見が挙がった。また、居住支援の課題として頻繁に指摘される、「個人の緊急連絡先の確保」に関しては、「担当者とスムーズに連絡が取れる体制ができれば、法人でもまったく問題はない」「長寿命化によって、個人の保証人が先に亡くなる事例もある。法人を緊急連絡先に指定することは、そうした問題を防止できるメリットがある」などといったコメントも聞かれた。

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

家賃債務保証

住宅の賃貸借契約に当たって、家賃債務を担保するために求められる保証をいう。 連帯保証人を立てる方法を用いるケースがある一方で、家賃滞納の場合に一時的に立替払いするサービス(家賃債務保証サービス)が活用されることもある。

続きはR.E.wordsへ

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年11月号
再注目の民泊。市場動向、運営上の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/10/1

「海外トピックス」を更新しました。

vol.433 世界遺産都市マラッカの医療ツーリズム環境【マレーシア】」を更新しました。

医療を目的に渡航する「医療ツーリズム」。マレーシアは近年、その医療ツーリズムの拠点として成長を遂げています。今回は、歴史的街区が有名な国際観光地マラッカの病院を取材。多くの医療ツーリストを受け入れている環境について探りました。…続きは記事をご覧ください☆