国土交通省は27日、「マンション標準管理規約の見直し及び管理計画認定制度のあり方に関するワーキンググループ」(座長:齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授)の5回目の会合を開催。4回目の議論を踏まえ、「管理計画認定制度」のあり方と、「マンション標準管理規約」の見直しについて議論した。
会合では、管理計画認定制度のさらなる普及・推進に向けた今後の方針についてとりまとめ案を提示。推進計画が策定されていない地方公共団体に対し、引き続き早期の策定を呼び掛けていくとともに、計画策定に向けた支援措置を継続して実施する。
また、認定マンションを対象としたさらなる支援措置について検討を実施。保険制度や民間金融機関による融資制度において、認定マンションの管理水準が評価されるよう、関係企業等への協力を呼び掛けていくとした。認定事務に関するガイドラインの充実化等を図り、申請手続きのサポートに係る取り組みへの支援措置についての検討も行なう。
委員からは、「5年ごとの更新を促していくためのインセンティブも追加したらどうか」「管理計画認定と予備認定は別物であることが分かる表記にしていただきたい」などの意見が挙がった。
管理計画認定制度の基準案については、段階増額積立方式の適切な引き上げ幅に関する基準を、均等積立方式とした場合の修繕積立金額との差額・倍率を制限する案を中心に検討。月々の徴収金額は、均等積立方式とした場合の月当たりの修繕積立金額を基準とした場合、計画の初期額は基準額の0.6倍以上、計画の最終額は基準額の1.1倍以内とすることを提案。これに対し、「『具体的な数字=基準』と認識されないよう配慮が必要」との意見が挙がった。
また、マンションの防災対策に関する基準として考えられる項目について、「防災マニュアルの作成・周知」「防災訓練の実施」「防災情報の収集・周知」「防災用名簿の作成」を挙げた。
管理計画認定制度の今後の方向性については、認定マンションが市場で適切に評価されるため、他の類似制度による取り組みも参考に、管理水準の見える化に向けた取り組みの強化を進めていくべきではないかと提案。新築時から一定の管理水準を確保していくさらなる仕組みや、新築時の適切な管理水準を継続して確保していく仕組みの検討が必要であると示した。
併せて、マンション標準管理規約の見直しについて事務局が説明。第三者管理者方式の規約例については、外部専門家の活用ガイドラインに記載されていることを発信してもらいたいとの意見を踏まえ、「外部専門家の活用ガイドライン」が改訂されることを見込み、全般関係にコメントを追記する予定とした。また、バリアフリー化工事や省エネルギー化工事等の実施状況も情報開示項目に位置付けるとしている。
次回は3月26日に開催する予定。標準管理規約の見直しでは、パブリックコメントを踏まえた最終案、区分所有法制の改正に係る見直し項目を提示する。管理計画認定制度のあり方については、とりまとめ案を示す。