三井不動産リアルティ(株)は23日、2024年3月期決算(連結)を公表。同日、業界メディアを対象に説明会を開いた。
当期(23年4月1日~24年3月31日)は、営業収益1,859億6,400万円(前期比1.6%増)、営業利益289億5,400万円(同0.2%減)、経常利益289億7,000万円(同1.1%増)となった。営業収益は過去最高となり、営業利益も過去最高だった前年に次ぐ水準となった。営業減益は、人材投資やシステム投資などのコスト増が要因。
セグメント別では仲介事業は総売上高916億900万円(同0.6%増)と過去最高を記録した。取引件数が3万8,680件(同1.1%減)と減少したものの、取扱高が1兆9,345億9,900万円(同0.8%増)と増加した。個人仲介では都心部の好調が継続、取扱単価の上昇が顕著だったことに加え、都心部以外の周辺部や地方圏においても堅調な業績を残したこと。また、法人仲介においても全体的に堅調に推移した。
「都心部は絶好調と言っていいぐらい。ただし地方圏では、エリアによってばらつきが見られた。札幌と東北では、価格上昇を理由にやや売買の情報量バランスがゆるんできている。一方で福岡は元気。平均取扱単価が15%ほど上昇しているだけでなく、成約も順調に獲得できている」(同社取締役常務執行役員・岡村光浩氏)。
期末の店舗数は289店舗(同2店舗減)。東京の湾岸エリアでの出店を強化しており、当期は同エリアで勝どきミッドセンター、ららテラスHARUMIFLAGセンターの2店を出店。湾岸エリアの店舗は7店となった。「24年度以降も古い店舗の整理や好立地移転など、店舗投資を継続していく」(同氏)。
リパーク事業は売上高923億1,000万円(同2.6%増)。不動産市場の活発化から事業地を売却するオーナーも少なくなく、期末の駐車場管理台数は24万7,046台(同3,469台減)と減少した。カーシェアリング事業「三井のカーシェアーズ」については、期末の台数が7,541台(同1,174台増)、会員数も約46万組と、前期から約25%増加するなど順調に拡大した。
24年度については、好調な市場環境を維持するとみて、「各数値が23年度並みの成長率を維持しつつ、営業増益を目指したい」(同氏)。