三井不動産(株)は、取り寄せグルメサービス「mitaseru(ミタセル)」の本格事業化を決定し、同サービスの運営主体となる同社の連結子会社「(株)mitaseru JAPAN(ミタセル ジャパン)」を4月3日に設立。6月25日、「日本橋三井タワー」(東京都中央区)で記者説明会を開いた。
mitaseruは、労働環境の厳しさや、食材費の高騰による人件費確保の難しさなどにより、人手不足に悩まされ営業時間の短縮や休業を余儀なくされている飲食店の課題解決を目的に立ち上げた事業。2023年4月から商品販売を開始した。食材の仕入れから製造、販売までを一気通貫で請け負う事業モデルとなっており、参画店舗が提供したレシピを基に専門の料理人が調理し、急速冷凍したものをmitaseruを通じ一般消費者に届けることで、名店メニューを自宅で手軽に味わえるようにしている。詳細は、過去のニュースを参照。
大阪府の外部パートナーのキッチンを使用したこれまでの製造・発送に加え、25年秋には三井不動産の物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク船橋(MFLP船橋)」(千葉県船橋市)内に新たに製造拠点を設ける。
目標は、26年までに参画100店舗(現在34店舗)、30年までに事業規模50億円の目標を掲げており、海外への事業進出も計画している。
また、三井不動産が推進する「日本橋再生計画」の第3ステージ「新たな産業の創造」から始まった、食の事業開発における一連のプロセスをワンストップで支援するプラットフォーム「&mog by Mitsui Fudosan」(以下、「&mog」)とも連携。日本橋を拠点にmitaseru参画店舗の拡充を図っていくほか、24年秋には、mitaseru参画企業と&mog提携企業のコラボ商品を発売するなど、食文化継承の支援を共に進めていく。
説明会で、mitaseru JAPAN代表取締役の松本大輝氏は「mitaseruが、限られた人的、物理的、経済的資源を拡張することで料理人の優れた技術を継承し、日本の飲食業を世界に誇る産業にしていきたい」と話した。