(株)帝国データバンクは25日、「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査」の結果を公表した。2016年から毎年実施しているもので、調査対象は全国2万7,104 社、有効回答企業数は1万1,410社。
自社におけるBCPの策定状況について尋ねたところ、「策定している」企業の割合(BCP策定率)は19.8%(前年比1.4ポイント増)となり、過去最高となった。
さらに「現在、策定中」(7.3%、同0.2ポイント減)と、「策定を検討している」(22.9%、同0.2ポイント増)を合計すると、BCPに対して「策定の意向あり」とする企業は50.0%(同1.4ポイント増)となり、4年ぶりに5割に達した。
BCP策定率を規模別にみると、「大企業」が37.1%(同1.6ポイント増)、「中小企業」が 16.5%(同1.2ポイント増)となった。「大企業」は16年から9.6ポイント上昇した一方で、「中小企業」の策定状況の伸びは低調となっている。
「事業の継続が困難になると想定しているリスク」に関しては、地震や風水害、噴火などの「自然災害」が71.1%で最多。次いで、サイバー攻撃などを含む「情報セキュリティ上のリスク」(44.4%)が4割台で続いた。
また、「策定意向あり」とする企業に、「事業が中断するリスクに備えて実施あるいは検討している内容」を尋ねたところ、「従業員の安否確認手段の整備」が68.9%で最多で7割近くにのぼった。以下、「情報システムのバックアップ」(57.9%)、「緊急時の指揮・命令系統の構築」(42.6%)と続いた。
企業の規模別では、「大企業」は「従業員の安否確認手段の整備」や「情報システムのバックアップ」などの備えを重視。「中小企業」は「災害保険への加入」や「調達先・仕入れ先の分散」などの備えを重視していることが分かった。
一方、「策定していない」企業にその理由を尋ねたところ、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」(41.6%)がトップに。次いで「策定する人材を確保できない」(34.3%)、「策定する時間を確保できない」(28.4%)と続いた。
「中小企業」では、「必要性を感じない」が21.0%と「大企業」より5ポイント以上高い結果に。さらに従業員数「5人以下」の企業では30.3%と、3割を超える企業で「必要性を感じない」と捉えていたことが分かった。