国土交通省は9日、国土審議会推進部会地域生活圏専門委員会の初回の会合を開いた。同専門委員会は、9月3日の推進部会において決定したもので、委員長には筑波大学名誉教授・学長特別補佐の石田東生氏が就いた。
冒頭、同省が「地域生活圏」に関して説明。7月28日に閣議決定した国土形成計画に記載されたもので、「多くの人々が日常行動している範囲内」を指す言葉。今後持続的かつ豊かに暮らすための仕組みの構築が求められており、国土形成計画においては、官民連携によって市町村の枠にとらわれない地域生活圏の形成を図ることが提唱された。また、内閣府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2024」においても、暮らしに必要なサービスを持続的に提供するため、広域・他分野・官民の連携よる地域生活圏の構築・展開を推進し、自立した地域経営主体を育成することなどが盛り込まれている。
今回は初回ということから、検討の方向性の参考とするため各委員が課題観等についてコメント。委員からは「近隣市町村との連携による地域生活圏の構成が取り上げられるが、近隣に限らず、遠隔地であってもデジタル技術を活用して連携できるのではないだろうか」「地域内でサービスを持続するには、キャッシュフローの観点がどうしても必要になる。立ち上げたサービスを広げていくことも必要だろう」「『なりわい』の視点をどう持つかが重要」などといった意見が挙がった。
今後、12月4日に2回目の会合を開き、その後3回目以降は具体的な論点整理と議論を行なっていく。2025年夏頃をめどにとりまとめを行なう計画で議論を進めていく。