三菱地所リアルエステートサービス(株)と(株)ニッセイ基礎研究所は27日、「企業の物流戦略および物流施設利用状況に関するアンケート調査」の結果を公表した。日本国内の主要荷主企業・物流企業約4,486社に調査を実施。調査期間は7~9月、有効回答数は234社。
「物流施設の配置方針」で、「各都市に配置」(荷主企業:55%、物流企業物流:60%)との回答が最も多く、「各地域(都道府県よりも小さい単位)(同:33%、同:30%)」が続いた。多くの企業は大都市圏ごとに物流施設を配置している。一方、全国でビジネスを展開している大手物流企業や製造業および小売業の物流機能の一部を担っている商社・卸売行等は、地域ごとに物流施設を配置していることが分かった。
「物流施設(拠点)数の方針」については、「物流拠点の数は現状維持」(同:55%、同:65%)が最も多かった。次点は「増やす」(同:20%、同45%)。特に物流企業では、「増やす」(45%)との回答が「減らす」(4%)を大幅に上回った。物流需要が堅調に推移していることを受け、拠点増加の意向が強いことがうかがえる。
「物流業務における主な課題」について荷主企業に質問したところ、「コスト削減のための在庫圧縮」(49%)が最多。「トラックドライバーの確保」(41%)、「輸送・配送時間の短縮」(40%)、「倉庫内作業(包装・仕分け)人員の確保」(39%)などが上位に挙がった。
物流企業では、「トラックドライバーの確保」「倉庫内作業(包装・仕分け)人員の確保」「働き方改革の推進」(それぞれ57%)が並んでトップに。荷主企業・物流企業ともに、トラックドライバーの確保が喫緊の課題となっていることが分かった。
「物流2024年問題」の影響についての質問では、「輸送コストの高騰」(同92%、同71%)が最多。「特に影響はない」(同5%、同8%)との回答は1割未満にとどまり、「物流2024年問題」が各企業の物流業務に大きな影響を及ぼしていることがうかがえた。
同問題への対策状況については、「対策は実施しているが、まだ十分でない」(同68%、同63%)との回答が最多。引き続き、輸送コスト高騰などへの対応が求められる。
「物流施設利用面積の3年後の予定」を聞いたところ、荷主企業、物流企業ともに「現状維持」がトップに。物流施設利用の方向性については、荷主企業、物流企業ともに、首都圏や関西圏以外の地域でも施設拡張意欲が高いことがうかがえた。