不動産ニュース / 開発・分譲

2024/12/9

「防犯」に全振り。全10戸完売/リスト「武蔵新城」

「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」外観

 リストホームズ(株)が5月から分譲していた建売住宅「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」(川崎市高津区、総戸数10戸)が11月末に完売した。随所に施した防犯対策を前面に押し出したことで、マンション志向のユーザーも取り込み、その付加価値を評価して、当初予算を大幅に超える「買いあがり」をしたユーザーもいた。

 同物件は、JR南武線「武蔵新城」駅徒歩14分に立地。土地面積は約70平方メートル。木造3階建て、3LDK・4LDK、延床面積約108~129平方メートル。建設地は、駐車場跡地。建物は2024年10月竣工済み。

 1・2階の開口部は、衝撃や打撃に強い複層防犯ガラスを採用。3階は防犯ガラスと防犯フィルムを施工している。外構部は常に「4m先の人の顔が分かる」明るさを保つよう、各戸間にある照度センサーが暗さを感知すると、自動的に外構のスポットライトや植栽灯、街灯が点灯する。また宅地内の2ヵ所に入口には防犯カメラと人感センサーライトを取り付けた。バルコニーの手すりは透明ガラスとすることで、侵入しづらい構造にした。外壁の配管や雨どいを伝って侵入されないよう、一部に忍び返しも取り付けている。

 各住戸の玄関は、IoTアプリにより遠隔操作が可能。ピッキングを防止するため、ダブルロックの一方の解錠から30秒以上経過すると、再び施錠される。24時間常時録画機能付きのインターホンを採用。留守中も、在宅を装いスマートフォンで応対できる。子供の誤操作を防ぐため、インターホンの操作はアプリのみとしている。IoTはセキュリティ関係の操作に加え、シャッター、室内照明、エアコン、テレビ等の操作も可能。

 これらの防犯機能を第三者評価してもらうため、神奈川県警の公認を得たNPO法人神奈川県防犯セキュリティ協会の「神奈川県セキュリティ・ホーム認定」を11月に取得している。同認定の戸建住宅での取得は初。また、住民間で防犯に関する自主協定を締結。侵入事件があった場合の録画データの警察への提供、外構照明の光熱費負担などで住宅地全体で防犯に努めることを購入条件としている。

 防犯対策を施した戸建住宅の企画は同社初。販売価格が周辺相場を大きく超える7,000万円台の商品となり絶対的な付加価値が必要だったこと、マンションとの競合が避けられないこと、昨今の侵入犯罪が多発していることから、マンション並みの防犯対策を施すことにした。商品企画担当者は、防犯関連の勉強から始めたという。

 販売価格は6,490万~7,490万円。認定取得前の5~10月は、月平均5件前後の案内件数が、認定を取得した11月は30件と激増。成約件数も5~10月で4件、11月だけで6件となった。防犯対策が充実していることからマンションから検討を変更した人、予算を5,000万円から7,000万円へ引き上げて購入した人、セキュリティを重視し都内や横浜市から川崎市への移住を決めた人など、「防犯」がフックとなって早期完売を実現できた。

建物基礎に張られた「神奈川県セキュリティ・ホーム」認定証。公的認定を受けたことで売れ行きは加速した

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