小田急不動産(株)は9日、2021年度から展開しているコインランドリー事業「Odakyu Laundry」の3号店となる「百合ヶ丘店」(川崎市麻生区)を報道陣に公開した。仲介事業本部ソリューション営業部が担当し、小田急沿線の土地オーナーの有効活用メニューとして、コインパーキングとともに提案していく。
「経堂店」(東京都世田谷区)、「成城店」(同)に次ぐ「百合ヶ丘店」は、小田急線「読売ランド前」駅徒歩7分、「百合ヶ丘」駅徒歩10分に立地。津久井街道沿いにある小田急バス(株)所有の遊休地を、事業用定期借地権契約によって20年間借り上げ、小田急不動産が施設を開発・運営する。敷地面積は約650平方メートル、建物は鉄骨造平屋建て73平方メートル。洗濯乾燥機5台、乾燥専用機5台、スニーカー洗濯乾燥機2台を設置。いずれも利用者自身が操作、支払いは現金以外にも、交通系ICやクレジットカードに対応する。
同社施設では初めて24時間営業を実施。セキュリティを高めるため施設内外に監視カメラを設置。10~13時は従業員も置き、顧客対応や機器のメンテナンスを行なう。郊外店で商圏を2キロ圏と広く見ていることから、駐車場も17台分確保する。
また、60分前後の洗濯中でも店内で快適に過ごせるよう、電源・USBポート付きのカウンターテーブルを6席用意。Wi-Fiも無料で提供し、店内にはBGMも流す。ホームページやLINEで混雑状況(機器の稼働状況)を確認できるようにし、洗濯時間終了が近付くと自動音声による通知も行なう。総事業費は約5,000万円。先行施設よりも利用料金を抑えており、日額売上4万円を目指す。
先行2施設はいずれも好調で、機械1台あたり平日10回転、休日は12~13回転するという。客単価は1,000円強。「近年は布団など大型の洗濯物をランドリーで洗うユーザーが増えており、来店者の過半がそうした大物洗濯が目的」(ソリューション営業部パーキンググループ・山下能史氏)。これまでは、小田急グループの遊休地利用をメインに展開してきたが、今後は沿線の土地オーナーへも積極的に提案し、年間1施設の開設を目指す。「コインパーキングと違い、ランドリーは機械の耐用年数も長く、長期間で資金を回収するビジネスモデルのため、使い道がなく放置しているような土地の有効活用として提案していく」(同氏)。