(公社)全日本不動産協会、(公社)不動産保証協会、(一社)全国不動産協会は15日、ホテルニューオータニ(東京都千代田区)で、各協会東京都本部との共催による「令和7年新年賀詞交歓会」を開催。全国の会員および友好団体トップのほか、衆参国会議員、東京都議会議員などが出席した。
冒頭、全日本不動産協会理事長の中村裕昌氏は、「空き家の総数は全国で900万戸、都内においても90万戸と増加に歯止めがかかっていない。しかし、視点を変えれば、これまでのスクラップアンドビルドから既存住宅の有効活用のフェーズに舵を切るチャンスとも言える」と強調。その上で、「25年度は『全日ラビー空き家相談ネットワーク』の運用を開始する。また、空き家等に係る媒介報酬の特例、サービスとしての空き家管理からビジネスとしての空き家管理への転換、コンサルティングサービスの提供など、国土交通省の『不動産業による空き家対策推進プログラム』を追い風に、消費者と宅建業者、社会にとって『三方よし』となる空き家対策を推進していく」と述べた。
協会運営については、「毎年2,000社を超える会員の入会があり、現在、会員数は3万7,000社に到達している。宅建業者不在の市町村も広まる中、新たな担い手の掘り起こしに力を入れるとともに、より一層堅固な組織基盤を構築し、社会貢献を続けていくため、26年度に向けて4万社を目標にしたい」と語った。
また、25年4月13日に開幕する大阪・関西万博に「大阪ヘルスケアパビリオン」のスペシャルパートナーとして協賛することにも触れ、「未来のまちづくりやウェルビーイングな住まいのあり方、少子高齢化社会において宅建業者が果たすべき役割など、未来の礎となるような公益性の高い研究を発表していく」と話した。
来賓として挨拶した国土交通大臣政務官の𠮷井 章氏は「さまざまな状況に置かれている空き家の所有者が身近な窓口に相談できることは、空き家の利活用促進の第一歩。皆さま方が会員の全国ネットワークを生かし、相談体制の整備に取り組んでいるのは心強い」とした上で、「25年は不動産DXの推進により、取引の円滑化・業務の効率化を実現するとともに、不動産関連情報の連携を促すことで新ビジネスの創出にも取り組んでいく。豊かで活力ある地域社会を子供たちの世代に残していくため、これらの施策を皆さま方と全力で推進していきたい」などと述べた。
また、東京都知事の小池 百合子氏は「東京からのCO2の排出は約7割が住宅建築物由来。住宅の強靭化、住宅の断熱について、さまざまな施策を展開していきたい。また、皆さんの口から、住まいを借りる人や買う人に断熱化のメリットを説明していってほしい」などと語った。