不動産ニュース / ハウジング

2025/2/12

一般流通材を活用した木質コンテナを商品化

「NLTコンテナ」の試作棟。サステナブルな建材である木を活用した簡易建物として多用途に訴求していく

 三井ホーム(株)は、2月から一般流通材を活用した木質コンテナ商品「NLTコンテナ」の本格販売を開始。12日には、同社埼玉工場(埼玉県加須市)で試作棟の見学会を開催した。

 近年、簡易事務所やロードサイド店舗、宿泊施設など、従来の倉庫以外の用途としてのコンテナ活用が広がっている。カーボンニュートラルや脱炭素を推進する中で、木を使った持続可能性の高いコンテナの需要があるとみて、商品化に踏み切った。

 NLTとは、「ネイル・ラミネイテッド・ティンバー」の略称で、一般に流通するツーバイフォー材を並べ、側面を釘打ちして束ねてパネルを形成した板材のこと。JASの認定を受けた工場でのみ製造が認められているCLTに比べ、工場を選ばず製造できるという特徴を持つ。曲面パネルを作りやすいなどのメリットがあるだけでなく、パネル自体が強固な構造体となり、そのまま耐力壁や床として使用できる。

 同商品では、床・天井パネル1種類と壁パネル5種類の同一寸法のパネルを組み合わせてユニットを組み立てる。ホールダウン金物やボルト・ナットを使った接合方法を採用し、水平・垂直方向にユニットを重ねることを容易にし、拡張性を高めた。ボルト・ナットの接合によって解体・再利用をしやすくした環境性の高さも訴求する。

 埼玉工場に設置した試作棟は、幅6,726mm・奥行2,242mm・高さ2,420mmで、工期は約7日だという。枠組壁工法を採用し、木材使用量は7立方メートル、炭素貯蔵量やCO2換算で約4t(スギ約8本に相当)。参考価格は250万円、なお、基礎や運搬費・設置工事費などを含めると、おおむね500万~800万円程度になるという。

 同社では、コンテナホテルの客室や、店舗施設、展示会ブース、仮設現場事務所などの用途での需要を想定。地域産材の活用にもつなげる。「これまでのコンテナなどの簡易建築は鉄を使っていたが、サステナブルな建材である木を活用する商品としてアピールしていきたい」(同社木材建材事業本部施設資材営業部施設営業グループ兼木構造研究所主任・山本 剛氏)。

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