不動産ニュース / 開発・分譲

2025/3/17

横浜に「見守り」「仕事」「コミュニティ」一体の賃貸

新築(右)・リノベーション(左)棟からなる「まごころアパート」の模型。真ん中の「ミチニワ」が入居者同士の交流を促進し、地域に開かれた場となることも目指す
新築棟の住戸の一例。ミチニワに面した窓際にデスク・チェアを設け、外との交流が持てるよう工夫している

 (株)エンジョイワークスとMIKAWAYA21(株)は17日、「高齢者の見守り」「仕事」「コミュニティ」が一体となった生活支援住宅「まごころアパート松葉台」(横浜市神奈川区、総戸数10戸)の現地視察ツアーを開催した。

 同プロジェクトは、2022年12月に国土交通省の「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」において、MIKAWAYA21が公募し採択されたもの。地域に数多く所在する賃貸アパートを「小さなシニア支援拠点」として活用し、地域の高齢者らが住み慣れた住環境を大きく変えず、安心して住み続けられる住居の環境を整備していく。「まごころアパート」はその第1号物件。

 JR線他「新横浜」駅からバスで約12分、「八反橋」停留所から徒歩約5分に位置。新築アパート(4戸+シニア支援拠点)、築約30年のアパート(6戸)をリノベーションした2棟からなる。2棟の間には、通り庭、デッキ、パーゴラなどを配置した「ミチニワ」を設置。入居者同士で会話をする機会を創出し、イベント等の開催により地域に開かれた場となることも目指す。現在は新築棟が竣工しており、リノベーション棟の竣工は3月末の予定。

 MIKAWAYA21は、全国約220拠点でシニア向け生活支援フランチャイズ「まごころサポート」を展開。見守り活動を行なう有償ボランティアの登録は3,000名を超える。「まごころアパート」では、新築棟の1階に「シニア支援拠点」を設け、入居者の生活をサポートしていく。併せて、住戸内ではWi-FiセンシングなどのIoT機器を活用し、24時間365日の常時見守りを提供する。

 地域の料理上手な「ジーちゃん」「バーちゃん」が、地域の食材を活用して家庭的な温かさを感じられる手づくり料理をつくり、地域の子供やシニアに届ける「ジーバーFOOD」サービスも導入。シニア支援拠点に設置したコミュニティキッチンで、仕事の機会も創出する。

 外観は、下部が白、上部がグリーン(リノベーション棟)・青(新築棟)のツートンカラーを採用して明るい雰囲気とした。新築棟の専有面積は27平方メートル(1K)で、要介護の段階に応じた生活ができるようレイアウト変更ができる仕様に。「ミチニワ」に面した窓際にデスク・チェアを設け、外との交流が持てるよう工夫している。リノベーション棟の専有面積は34平方メートル(2K)。ロールカーテン付き・シースルーの玄関ドアを採用することで“閉ざされた空間”とせず、ミチニワでのコミュニティを促す。

 4月に入ってから入居者の募集を開始。定期借家契約とし、将来的には終身建物賃貸借契約へ移行する考え。10月以降スタートする「居住サポート住宅」制度にも認定申請する予定。

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