不動産ニュース / 団体・グループ

2025/7/15

FRK・遠藤新理事長「既存住宅の投資価値向上を」

「あらゆる情報をユーザーに分かりやすく伝える能力が求められる」と語る遠藤新理事長

 6月5日開催の(一社)不動産流通経営協会の定時総会で理事長に選任された遠藤 靖氏(三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長)が7月15日、業界誌記者と会見した。

 同氏は現在の既存住宅流通市場について、「東日本レインズの既存マンションデータを見ても、成約件数の増加・1平方メートル単価の上昇が続いている。特に都心部は旺盛な需要に伴う好調の維持が見込まれるが、その他の地域では、マンションの値上がりでユーザーがついてこられないケースも出てきており需要の減退も見られる。日米関税交渉や物価上昇、長期金利の引き上げといった社会経済の先行きは不透明であり、予断を許さない」などと分析。
 その上で、「経済動向をしっかりと見据え、多様なお客さまニーズに対して的確に対応すると共に、会員各社の成長と発展に役立つよう協会の事業に取り組んでいきたい」と就任の抱負を述べた。

 今後の課題については、(1)政策提言・調査研究・情報発信、(2)デジタル技術を活用した新たな不動産流通システムの構築、(3)安全・安心な仲介サービスの実現の3点を掲げた。

 (1)については、「顧客の住宅取得に係る調査などを通じて、既存住宅流通の活性化に向けた要望のエビデンスとしていく」とした。(2)では、電子契約やIT重説など制度的な枠組みはできているものの、売買仲介取引での活用は伸び悩んでいることから「現場レベルでのデジタル活用に関する悩みを吸い上げ、国土交通省や自治体に働き掛けると共に、会員に対して先進事例を紹介するなどの取り組みを進めたい」とした。

 (3)では、事業者とユーザーの情報格差が縮まる中で、個々の営業担当者のスキルアップがポイントになるとし「建築物の省エネルギーに関する知識や税制、管理の状況など、あらゆる情報をユーザーに分かりやすく伝達できる能力が必要だ。積極的な情報発信を通じて業界各社への意識付けを促していきたい」(遠藤氏)。

 2020年に公表した同協会の活動方針・計画等を示した「FRK提言2020」についても、現状の進捗などを説明。「これまで、建物の品質評価制度に関する提言など、多くの政策提言を行なってきた。現状に残された課題の中でも目玉となるのが、投資対象としての既存住宅の価値向上だ。従来はほとんど投資対象になっていない木造の既存住宅や、地方圏の既存住宅などを投資対象として見る動きが広がれば、投資マネーが流入して市場が拡大する。そのために協会として何ができるか。具体的な政策提言について今年度以降検討を進め、早期に実行に移していきたい」などと語った。

記事のキーワード 一覧

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年8月号
社員が成長すると、会社も伸びる!
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/7/5

「月刊不動産流通2025年8月号」発売中!

月刊不動産流通研究所2025年8月号」が発売となりました!
特集は、「今こそ! リスキリング」。社会が目まぐるしく変化する中で、不動産事業者も取り巻く環境に適応するためのスキルアップが不可欠です。本特集では、新たな課題への対応や業績向上に向け社員の「リスキリング」支援に取り組む事業者に着目。その狙いや取り組み、効果を紹介します。