(株)ジェクトワンが運営するアキサポ空き家総研は12日、「空き家トラブル・管理リスクに関する調査」結果を発表した。日本全国で空き家を個人で所有している人計350人を対象に、インターネット調査を実施。調査期間は7月9・10日。
空き家を所有者本人や親族など誰かが管理している332人に、どの程度の頻度で手入れをしているかを尋ねたところ、「月に複数回」27.1%、「月に1回程度」32.2%と、月に1回以上の手入れを実施しているのは全体の約6割に上ることが分かった。一方で、残りの4割は「2・3ヵ月に1回程度」19.3%、「4・5ヵ月に1回程度」7.2%、「半年に1回程度」7.2%、「1年に1回程度」3.9%と、実質的には放置に近いような状態にある空き家も少なくないことが判明した。
どのような手入れを行なっているかについては、「換気」が58.1%でトップに。次いで「草木の手入れ」57.2%、「清掃」53.9%。
空き家に関するトラブルの経験が「ある」と答えたのは23.7%。そのうち、「雑草・庭木・植栽」が26.5%で最多に。「枝が隣家にまで伸びて苦情を受けた」「庭の草木が手入れされておらず見た目が悪いと怒鳴られた」など、日常的な手入れ不足が近隣住民との摩擦を引き起こしている実態が浮かび上がった。以下、「不法侵入・空き巣・治安面」16.9%、「建物・設備の破損」16.8%と続いた。
空き家管理において実際に困っていることとして、最も多かったのは「固定資産税が掛かり続けること」で、32.9%だった。続いて、「管理の手間が掛かり続ける」19.7%、「管理維持費用が掛かり続ける」18.6%、「解体費用・リフォーム費用が掛かる」17.7%。空き家所有者の悩みにおいては、経済的負担が大きいことが明らかになった。
また、同調査では空き家所有者全体の8割以上が何らかの困り事を実際に経験していると回答。空き家を所有しているだけでも大きな負担となり得ることが示唆された。「所有している空き家は、あなたにとって価値のある資産になっているか、負債になっているか」という問いに対しては、4割が「どちらかというと負債になっている」「負債になっている」と答えている。