野村不動産(株)を代表企業に計8社で構成する事業グループ(※1)は8日、海の森公園(東京都江東区)にて、小型ヘリコプターを用いた浮体式ポートへの離着陸実証実験などを行なった。
同グループは、東京都が実施するベイエリアの将来像を踏まえたまちづくり構想「東京ベイeSGプロジェクト」の令和5年度先行プロジェクトにおいて、「空飛ぶクルマ(※2)」用浮体式ポートを核とした、陸海空のMaaS実現に向けたシステムの構築および運行実証を提案し採択された。今回の実証実験はその一環で、2月に続き2回目となる。
離着陸実証実験は、空飛ぶクルマの社会実装に向けたもの。空飛ぶクルマと同程度のサイズ・重量の小型ヘリコプターを用い、船着き場前の海上に設置した樹脂製の浮体式ポート(22m×22m)への離着陸を実施した。
前回の実験では、同ポートを海の森水上競技場内に設置し行なったことから、「風で発生する波は今回の方が高く、運行している船からも影響を受けることから、より実用化を見据えた検証と言える」(野村不動産事業創発本部事業企画一部開発一課・佐藤颯太氏)。2028年度の社会実装を目指し今後、得られた実験結果を踏まえ、浮体式ポートをいつ、どこに浮かべるかなどといったことを精査しながら、さらなる実証実験を行なっていく方針という。
またこの日は、エアモビリティ搭乗者の本人確認や手荷物検査、保安検査などといった搭乗手続きの動線を再現したターミナル施設を設け、効率的なオペレーションの検証も行なったほか、自律航行システムを搭載した小型船舶の航行、ロボットの自律運行を実施。陸海空それぞれの次世代モビリティをシームレスに接続させるシステムの構築に向けた課題を確認した。
※1 野村不動産、清水建設(株)、ANAホールディングス(株)、Joby Aviation, Inc.、エアロトヨタ(株)(旧朝日航洋(株))、(株)Kidou Systems、(株)エイトノット、東京ウォータータクシー(株)
※2 電動モーターで複数の回転翼を回転させ、垂直離着陸できる小型航空機
