記者の目

2008/6/10

S×L、新ブランド戦略第一弾商品「光風」を発売

「和」をアクセントにした、「シンプルモダン」をブランドイメージに

 創業57年目を迎え、新ブランディング戦略を打ち出したエス・バイ・エル(株)。「ジャパニーズ・モダン宣言」と題し、「和」の感性とともにモダンでシンプルな住まいを提供していくことがそのブランドイメージだ。  そのコンセプトを盛り込んだ第1弾商品「光風(kofu)」は、多様な世代に受け入れられるデザインと性能・機能を備えていること、そして何世代にもわたって住み継がれる要素を兼ね備えていることを重点に位置づけている。  このたび、同商品の報道関係者見学会が開催されたので、その様子をレポートしたい。

ウッドウォールの横のラインと、大型サッシの縦のラインが印象的な「光風」外観
ウッドウォールの横のラインと、大型サッシの縦のラインが印象的な「光風」外観
(左)2階の主寝室。右は「間仕切り収納家具」。収納を自由に動かすことにより、間取りの変更を容易にした
(左)2階の主寝室。右は「間仕切り収納家具」。収納を自由に動かすことにより、間取りの変更を容易にした
リビングには吹き抜け上部まで続く大型サッシを設置
リビングには吹き抜け上部まで続く大型サッシを設置
女性活躍推進チームの意見を反映して設置した「リビング収納」
女性活躍推進チームの意見を反映して設置した「リビング収納」
リビング収納だけでなく、キッチンや洗面所の収納も充実している
リビング収納だけでなく、キッチンや洗面所の収納も充実している



まち並み形成の軸となる外観デザイン

 「光風」の外観は、そのブランドコンセプトどおり、シンプルで飽きのこないデザインとなっている。長期にわたって住み続けられる住宅であるため、「まち並み形成の軸となるようなデザイン」であることが、商品戦略の要となっているのだ。

 日本家屋風の塗り壁や、格子デザインを採用したほか、ポーチに円形風孔と波型庇を取り付け「和」を印象付けることで、建物の全体のイメージを引き締めている。
 屋根はシルバーグレーのガルバリュウム鋼板を採用し、「モダン」を演出。さらに、軒の出を長く設計することで、建物の外壁に陰影をつけ、季節や時間によって表情に「変化」をもたらした。
 また、ウッドウォールをアクセントに設置し、家族とともに経年美を楽しめる仕掛けを施している。


可変性を備えた間取り

 外観だけでなく、中身についても現在公表されている「長期優良住宅」の認定要件を意識して開発、末永く住み続けられる住まいを実現した。
 一番のポイントは、スケルトン・インフィルを採用して実現した間取りの「可変性」だ。具体的には、取り外し可能な「間仕切り収納家具」を採用し、それを間仕切りにすることで間取りの変更を容易にした。

 主寝室は、クローゼットタイプや書斎コーナータイプ、寝室セパレートタイプなどを間取りの展開例としているほか、子供部屋はオープン、セミオープン、セパレートなどの間取りをあらかじめ想定。
 近年では、別々の寝室を要望する夫婦が増えたりと、ライフスタイルの多様化への対応を、各社商品戦略の柱としているが、同社ではあらかじめ展開パターンを提示したことで、ユーザーが今後の住まい方もイメージしやすくしている。まさに「人間とともに成長できる」家を実現できたといえよう。


大型サッシと収納で差別化を図ったリビング

 リビングは吹き抜けにし、開放感のある空間を演出。なんといっても目玉は吹き抜け上部まで設置された5.2×3.4mのもの大型サッシだ。太陽の光が頭上から降り注ぐ設計になっているため、リビングに温かさや安らぎをとり入れることで、家族が集うに適する場所とした。
 最近住宅メーカーでは、子育て世代へ向けた商品開発なども積極的にされているが、こうした温かみ溢れる仕掛けをすることで、家族同士のコミュニケーションも活発化するのではないだろうか。

 さらに、同商品のリビングで忘れてならないのは「収納」。同商品の開発に携わった女性活躍推進チームでは、「リビングには畳む前の洗濯物など、一時的に置く物が多く、それがしまえる空間があれば」との声が多数出たという。そこで「リビング収納」なる1.5畳の収納スペースを、階段下に設置。どの棚に何を収納するかを細かく想定し、機能性のある空間構成とした。


「和」のブランディングでナンバーワンをめざす

 価格は坪あたり65万円(税抜き、首都圏価格)で、カスタム仕様は53万円(税抜き、首都圏価格)から。さまざまな住宅メーカーが長期にわたって維持できる住まいの開発をしているなか、新たに打ち出したブランド戦略で差別化を狙い、「和」をアクセントとしたシンプルモダンの分野でナンバーワンをめざす、という同社。
 今年のゴールデンウィークは、各地の展示場来場者数は横ばい、もしくはマイナスと厳しい状況であったと聞くが、今後も同社の独自性を出した商品開発が課題となるだろう。(May)

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