記者の目 / 開発・分譲

2008/10/7

マンションに求められる防災対策

セコムホームライフ、防災機能を備えた「グローリオ蘆花公園」販売

 昨今、頻発する地震や豪雨の影響により、人々の防災意識が高まっている。セコムホームライフ(株)(東京都渋谷区、社長:小林清一郎氏)と平和不動産(株)(東京都中央区、取締役社長:金原 策太郎氏)は、さまざまな防災対策を施した大規模マンション「グローリオ蘆花公園」(東京都世田谷区、総戸数373戸)の販売を10月から開始した。  今回は「グローリオ蘆花公園」の概要を紹介しつつ、充実した防災機能について注目してみたい。

「グローリオ蘆花公園」完成イメージパース
「グローリオ蘆花公園」完成イメージパース
「グローリオ蘆花公園」全体模型
「グローリオ蘆花公園」全体模型
「グローリオ蘆花公園」防災・救命設備
「グローリオ蘆花公園」防災・救命設備
キッチンが住戸中心にある「頭のよい子が育つ家」。部屋の仕切りは、家族の気配を感じられるように、透明なボードにしている
キッチンが住戸中心にある「頭のよい子が育つ家」。部屋の仕切りは、家族の気配を感じられるように、透明なボードにしている
リビングの壁には、お絵かきすることができる「ガラスボード」が設置されている
リビングの壁には、お絵かきすることができる「ガラスボード」が設置されている
「ゲストの多い家」では、パブリックとプライベート空間が分かれている
「ゲストの多い家」では、パブリックとプライベート空間が分かれている
販売は女性営業社員が中心となって行なっていく。同社初の試み
販売は女性営業社員が中心となって行なっていく。同社初の試み



分棟形式を採用、多様な住空間を実現

 京王線「芦花公園」駅徒歩6分、「千歳烏山」駅徒歩8分に立地する「グローリオ蘆花公園」は、高層のテラスレジデンス棟と中層のヴィラ棟(A~H棟)に建物を分けて計画された、全363邸のプロジェクト。敷地面積は1万6,211.30 平方メートル、開発面積は1万5,523.28平方メートル。一邸一邸の独立性を高めるため、従来の画一的なスタイルではなく、建物を分棟形式にして、風の抜け、日照の広がり方、敷地内の眺望について、多様性を持たせている。

 鉄筋コンクリート造地下1階地上12階建てのテラスレジデンス棟は雁行型のデザインで、隣接住戸感を抑え、開口部を多く確保。鉄筋コンクリート造地上5~10階建てのヴィラ棟は、扇型のデザインを採用、住戸同士をずらすことで、プライバシーを確保し、同じ棟に住みながら、隣同士でも住戸からの眺めや趣を、変化の富んだものにしている。

 共用施設には、テラスレジデンス棟を中心に、フィットネスルームやシアター&ミュージックスタジオ、パーティールームやプライベートラウンジなどを用意。プレミアムラウンジでは、住民向けに飲料や焼きたてのパンを有料で提供するなど、さまざまなコンシェルジュサービスを用意している。


地域にも配慮した防災設備

 共用施設の一部である鉄筋コンクリート造地上2階建てのコミュニティハウス棟には、災害時には防災拠点としての機能を持たせており、その建物の強度は、学校や病院、消防署などと同等の耐震性能(耐震等級3)を備えている。建物内には、防災倉庫を設置、一時避難スペースとしても利用できるほか、テラスレジデンシャル棟と4棟のヴィラ棟の地下には、近年の気象条件の変化を考慮した大規模な雨水貯留・湛水施設を設置した。
 災害時には受水槽の水を有効利用し、非常用浄水機にて一定期間貯留されたままの受水槽水を浄化、飲用水を確保する。また、敷地内の専用スペースに下水接続型のマンホールを13基設置、組み立て式仮設トイレの設置を可能としている。
 その他、消防設備用の非常用発電機は、停電時の緊急用としてコミュニティハウス棟の一部の電灯・動力にも利用可能としている。また、普段は敷地内で簡易型ベンチとして設置される「かまどツール」は、災害時は炊き出し用かまどとして利用が可能だ。

 なお、公共のインフラが機能しない状況が起きた場合には、居住者のみならず、地域住民に対しても、一定期間の生活の手助けをしていく考えだ。


ニーズに応じた住戸プラン

 専有面積47.76平方メートル~172.04平方メートル、間取りは1LDK~3LDK。部屋の種類は全10タイプ、間取りは100タイプを用意している。
 モデルルームでは、テラスレジデンシャル棟の家族とのコミュニケーションを重視した住まい「頭のよい子が育つ家」(2LDK、85.14平方メートル)と、ヴィラ棟の来客があっても家族のプライベートを守れる住まい「ゲストの多い家」(3LDK、121.33平方メートル)の2つが公開されている。

 一つひとつの住まいにテーマを持たせて、さまざまなプランを提案する同プロジェクト。今後は、それぞれの顧客のライフスタイルに合わせた、多様な住まいをつくることが求められており、今回のプロジェクトでは、そうしたつくり手側の思いが込められているように感じた。
 モデルルームの来訪者については、単身者から小さい子供を持つファミリー層、子育てが落ち着いた50代前後の夫婦まで、幅広い層が見学に訪れているという。竣工は2009年9月、入居開始は同年10月末の予定。

 なお、セコムホームライフでは、販売では女性社員を中心に行なっていくという。女性が営業の中心となるのは、同社初の試み。防犯・防災計画、住戸プランなど、こだわりを見せている同プロジェクトの反響が気になるところだ。(さ)

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